【電話応対】その敬語、実は間違っているかも?正しい敬語の使い方と電話応対マニュアル

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ビジネスシーンで避けることのできない電話応対ですが、「会社にかかってきた電話の受け答えの仕方がわからない」「何を聞かれるか不安で、電話に出るのが怖い」と苦手意識を持っている人も少なくありません。そうは言っても、職場の電話に出ないわけにはいかないですよね。

そこで、今回は『電話応対の基本を知りたい』『正しい敬語を使えるようになりたい』という方向けに電話応対の基本や電話を受ける際のマナーとコツについて例文付きでご紹介します。

電話応対の基本

ここからは電話応対の基本について解説します。

どのような電話であっても意識するべきものなので、確認していきましょう。

電話応対の心得

①『会社の代表』という気持ちを持つ
②敬称や敬語を正しく使う
③クッション言葉を活用する

①『会社の代表』という気持ちを持つ

先ずは、電話応対で会社全体のイメージが付いてしまうこともあるということを認識しましょう。

心理学で『初頭効果』という言葉があります。『人の印象は、出会ってから初めの6秒で決まり、6秒間で良い印象を持ってもらえたら、応対は良い方向に向かい、悪い印象を持たれてしまうと、どんどん悪い方向に向かってしまう』というものです。

電話の場合の初頭効果は、挨拶をして社名を名乗る3秒間が勝負と言われています。

最初の言い方が明るく弾んでいれば、相手の受け方も弾みますし、丁寧な話し方だと、相手も丁寧になります。逆に、不愛想な話し方だと相手も無愛想になります。

お客様の8割は電話応対の良し悪しで商品の購入を決めるとも言われているので、『電話応対の印象=会社全体の印象』という意識を持ち、誰に対しても失礼がないよう心がけ、明るくハキハキと応対するようにしましょう。

②敬称や敬語を正しく使う

『会社の代表』として電話応対をするには、敬称や敬語を正しく使いこなせなければなりません。

顔が見えない分、不適切な言葉遣いをしてしまうと悪い印象を持たせてしまうこともあります。

下記で、間違えやすい敬称や敬語をいくつか紹介しているので、正しい使い方が出来るように確認しましょう。

敬称

自分わたくし
相手○○様
相手の会社御社
自分の会社弊社

挨拶

すみません申し訳ございません
どうしますかいかがなさいますか
わかりました承知しました
わかりませんわかりかねます

尊敬語

言うおっしゃる
聞くお聞きになる
見るご覧になる
教えてほしいご教示ください
知っているご存じでいらっしゃる
来るお越しになる いらっしゃる

謙譲語

言う申し上げる
聞く伺う
するさせていただく
知っている存じ上げている
見る拝見する
行く伺う 参る

③クッション言葉を活用する

『クッション言葉』とは、ストレートに言うときつく伝わりがちなお願いやお断りを柔らかい印象にするために、本題の前に言い添える言葉のことを指します。

クッション言葉を使うと、柔らかな応対ができるようになり、自分の心への負担も軽くなります。

電話応対の際も、以下のようなクッション言葉を活用して、気持ちの良いコミュニケーションを心がけましょう。

尋ねる場合

  • 差し支えなければ
  • 失礼ですが

お願いする場合

  • 恐れ入りますが、
  • お手数をお掛けいたしますが、
  • お忙しいところ申し訳ありませんが、
  • 重ね重ね申し訳ございませんが、

断る場合

  • ご意向に沿えず申し訳ありませんが、
  • 大変心苦しいのですが、
  • あいにく❍❍ですが、
  • 誠に申し上げにくいのですが、

電話の受け方とマナー

ここから、電話を受ける時のマナーについて説明します。

併せて、具体的な応対例も紹介しますので、少しでも電話応対の緊張を緩和できるようにしていきましょう。

尚、会社によってルールやマニュアルが設けられていることもあるため、事前の確認が必要です。

①受話器を取る目安

3コール以内に電話に出ることが、一般的なビジネスマナーとされていますが、相手に「待たされている」と感じさせないように『2コール以内に電話に出る』ことを意識しましょう。

また、コール数の長さによって受電時の挨拶も異なるので、臨機応変に応対しましょう。

目安のコール数電話応対の例
2コール以内お電話ありがとうございます
3コールお待たせいたしました
4コール以上大変お待たせいたしました

②会社名と部署名・氏名を名乗る

電話に出たら、相手が名乗る前に会社名と部署名・自身の名前を明るく伝えましょう。

自分が会社名と部署名・氏名を名乗る際の電話応対の例

お電話ありがとうございます。株式会社◯◯の◯◯でございます。
(大変)お待たせいたしました。◯◯の◯◯でございます。
おはようございます。株式会社◯◯の◯◯でございます。

  

③相手の氏名や用件のメモを取って復唱する

先方の会社名や名前、用件の聞き漏れがないように、電話のそばにはメモ用紙と筆記用具を置いておくようにしましょう。

メモを取るべき内容

電話を受けた日付・時間
相手の会社名・部署名・氏名
相手の連絡先(電話番号)
用件・伝言内容
折り返しの電話が必要かどうか

先方のお名前を承ったら、確認のために復唱します。

また、相手が名乗らない場合も、相手の会社名と氏名を確認しましょう。

相手の氏名や用件を復唱する際の電話応対の例

○○会社の○○様ですね。いつもお世話になっております。
恐れ入りますが、御社名とお名前をお伺いしても宜しいでしょうか。

聞き返すことよりも社名や名前を間違えることの方が失礼にあたるので、先方の声や内容が聞き取りにくかった場合もきちんと確認するようにしましょう。

但し、その場合は決して『声が聞き取りにくい』など、相手を責めているような表現してはいけません。

相手の声が聞き取りづらい際の電話応対の例

申し訳ございません。 恐れ入りますが、少しお電話が遠いようですので、 もう一度お名前をお伺いできますでしょうか。

いざという時に慌てることがないように、保留や転送、ボリューム調整など、会社の電話の基本機能・操作方法はあらかじめ把握しておきましょう。

④電話を取り次ぐ

電話の取り次ぎを頼まれた場合は、取り次ぐ相手の名前も復唱します。

尚、電話をかけた相手からすると、たとえ上司であっても同じ会社の社員なので、呼び捨てにすることが基本です。

電話を取り次ぐ際の電話応対の例

◯◯でございますね。少々お待ちください。

受話器を押さえた社内トークはマナー違反なので、電話を取り次ぐ際は必ず『保留』にしましょう。

保留が長引いて相手を待たせてしまいそうな場合は、一度電話に出て状況を伝えます。

目安として、30秒以上時間を要する場合は、お待ちいただくのではなく折り返し連絡しましょう。

相手を待たせてしまいそうな場合の電話応対の例

お待たせして申し訳ございません。 ○○のため、もう少しお待ちいただけますでしょうか。
お待たせして申し訳ございません。 お調べするのに時間がかかりますので、 折り返しのお電話をさせていただいても宜しいでしょうか。

担当者が不在であれば、先ずはお待たせしたことをお詫びします。

担当者が不在であることを伝え、最後に折り返しの電話をさせることを伝えましょう。

その際、可能であれば、担当者の不在理由と電話をかけられる時間も伝えます。

併せて、相手の連絡先を忘れずに確認するようにしましょう。

担当者が会議中の場合

お待たせして申し訳ございません。 ◯◯はただいま会議に出席しており、◯時ごろに席に戻る予定です。 折り返しお電話を差し上げるように申し伝えますので、 お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか

担当者が外出の場合

お待たせして申し訳ございません。 ◯◯は只今外出しておりまして、◯時ごろに戻る予定です。 折り返しお電話を差し上げるように申し伝えますので、 お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか。
申し訳ございません。○○は外出しており、本日は戻らない予定です。 明日出社次第、○○からお電話するようにいたします。宜しいでしょうか。

代理として用件を伺えるようであれば、折り返しする際の電話がスムーズになります。

電話の用件を確認する場合

差し支えなければ、ご用件をお伺いして◯◯に申し伝えます。 いかがいたしましょうか。

また、場合によっては『緊急なので担当者の電話番号を教えてほしい』と求められる場合もあるかもしれませんが、基本的には社内の個人情報を無断で開示することはNGなので下記のような応対をしましょう。

社内の個人情報を聞かれた場合

社内で確認が取れましたら、折り返しお電話いたします。
担当者に伝えて折り返しお電話させます。

⑤静かに電話を切る

電話を切る際は、顧客が先に切ることがマナーなので、相手が電話を切ってから静かに電話を切りましょう。

また、自分から電話を切る際は「ガチャッ」という音が相手に聞こえないように、フックスイッチを指で押しながら受話器を置くようにしましょう。

クレーム電話への応対マニュアル

クレーム電話がかかってきた場合も、円滑にトラブルを解決するために、下記の事項を意識して出来る限り丁寧な応対を心がけましょう。

①たらい回しをしない

お繋ぎする担当者を3回以上変えないようにしましょう。

②待たせすぎない

長く相手を待たせると、相手の怒りを大きくさせてしまう可能性があります。

③話を遮らない

相手が怒っている時に話を遮ることは失礼にあたります。先ずは、相手を落ち着かせるように、同調しながら話を伺って状況の理解に努めましょう。

④丁重にお詫びをする

こちら側に全面的に非がある場合は、心から深くお詫びを伝えましょう。

しかし、こちらの非が確実でない場合は、独断でお怒りの内容に対するお詫びや謝罪の言葉を述べることはせずに、相手を怒らせてしまったことに対してのみ謝罪します。

相手のお怒りを抑えることを意識しながら、社内の担当や関係者につなぐことを優先しましょう。

⑤こちら側の価値観を押し付けない

相手の怒りの原因をしっかりと把握して、相手と同じ視点で理解するように努めましょう。

⑥専門用語を多用しない

専門用語を多用して相手が理解できないまま話を進めると、不安と苛立ちが増す可能性があります。相手に納得していただくためにも、なるべく分かりやすい言葉で話すように意識しましょう。

⑦あいまいな表現をしない

あいまいな表現は相手に余計な不安を与えてしまうので、文末は言い切るようにしましょう。

電話応対でやってはいけないこと

最後に、電話応対でやってはいけない注意点について解説します。

対面よりも言葉や声色が強く伝わってしまう電話応対では、絶対に避けるべき項目として覚えましょう。

①言葉の初めに否定語を使わない

『しかし』や『ですが』などの否定語で始めてしまうと、相手は『強く否定されている』と感じてしまいます。

顔が見えない電話では、否定の印象が強く伝わってしまうので、相槌の言葉を挟みながら返答すると良いでしょう。

②『はいはい』と答えない

『はいはい』と2回繰り返して返答すると、適当に聞き流している、またはバカにしている印象を与えてしまうので、返事をする際は必ず1回の『はい』で行いましょう。

③名前や伝言内容を復唱しない

復唱されないと、相手は『きちんと担当者に伝わるのか?』と心配になってしまい、場合によっては企業に対する信頼度やイメージの悪化にも繋がってしまいます。

承った先方の情報は必ず復唱しましょう。

④語尾を伸ばさない

語尾を伸ばす話し方は、幼稚さやフランクさを感じさせ、ビジネスには適しません。

⑤『もしもし』は使わない

ビジネスの現場では、上から目線、不適切な言葉遣いだという印象を与えてしまうこともあるため、会社の電話に出る時は『もしもし」は使わないようにしましょう。

まとめ

電話応対のマニュアルとして、電話の受け方やマナーについて解説しましたがいかがでしたか。

職場での電話応対に、負担を感じている人もいるかもしれませんが、相手を尊重する気持ちを大切にしながら元気に明るく応対することを意識すれば大丈夫です。

また、積極的に電話応対をする姿は、周りから見ても好印象で、お客様に名前を覚えてもらえるなど仕事が進めやすくなる一面もあるので、気構えすぎず、積極的に電話応対してみましょう。

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