【社内研修Vol.13】社内研修のスケジュールを立てる4つのステップと5つのポイント解説

社内研修を段取りよく進めていくには、スケジュールの作成が必須です。しかし、社内研修の実施を検討する際に「スケジュールの立て方がわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。スケジュールはただカリキュラムを組めば良いわけではありません。

受講者にとって「効果的なカリキュラムは何か」「どのような時間配分なら集中力が維持できるか」などを考える必要があります。そこでこの記事では、社員研修のスケジュールの立て方について4つのステップで解説します。社内研修のスケジュールの立て方でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

4ステップで社内研修のスケジュールを立てる

社内研修を効率よく進めるには、研修スケジュールをしっかりと作り込まなければなりません。研修の効率化はもちろん、研修後に高い評価を得るためにもスケジュールの作成は念入りにしましょう。ここでは、4つのステップでわかりやすくスケジュールの立て方を解説します。

①社内研修のカリキュラムを決定する

はじめに、社内研修で実施するカリキュラムを決定します。カリキュラムを決める際は、教育担当者が、受講者の働いている現場で業務の問題や課題についてヒアリングし、身に付けたいスキルや知識を確認する必要があります。その情報をもとに、確認したスキルや知識が身に付くようなカリキュラムを決定しましょう。

ヒアリングの内容をもとにカリキュラムを決定するので、見当違いの研修になるケースはありません。なお、カリキュラムを決める際は、座学や体験学習などあらゆるタイプを取り入れるとより効果的です。

②外注と社内で担当する部分を決める

研修のカリキュラムは、代行会社に外注も可能です。外注すれば、研修に関するあらゆる知識をもったプロが、スケジュールを組み立ててくれます。資料や教材の準備まですべて代行するので、社内研修を実施するための労力が少なくなるメリットがあるでしょう。しかし、社外秘の情報を豊富に活かした研修をするのであれば、社内で進めなければなりません。

③講師や会場の予定を調整しつつ日程を決める

講師や会場の予定を調整しながら、社内研修のスケジュールを決めましょう。ポイントとしては、研修実施日を決める際には、並行して講師や会場のスケジュールをおさえておくことが重要です。先に研修実施日だけを決めてしまうと、講師や会場の都合が合わないときに日程をずらすなどの手間が発生してしまいます。

候補日を複数挙げて、受講者・講師・会場の予定が合致する研修実施日を選定するようにしましょう。

どうしても研修実施日と講師や会場の都合が合わないときは、オンライン研修やeラーニングを活用するのも良いかもしれませんが、その実施方法や内容で研修の目的を達成できるかどうかを基準に慎重に決める必要があります。当初の研修目的を達成できるように、基本的には、研修カリキュラムは変えず、受講者を分けて、対象者が全員参加できるように、複数回研修を開催することをおすすめします。

④1日ごとのスケジュールを立てる

最後に、1日ごとのスケジュールを立てます。研修の効果にもかかわってくる部分ですので、詳細を決める際は、綿密にスケジュールを考えましょう。講師が複数人いる場合は、それぞれの講師のスケジュールと、各カリキュラムの時間配分を照らし合わせて調整しなければなりません。また、休憩時間についても細かい部分にまで注意を払う必要があります。

なぜなら、研修スケジュールは受講者の集中力やモチベーション維持にかかわるポイントだからです。目安としては、50分に一度10分休憩を挟む1時間を1つのカリキュラムの基準としてスケジュールを立てましょう。

またスケジュールの管理に役立つアプリとして、ExcelやGoogleスプレッドシートなどがあります。ファイルの共有ができるなどのメリットがあるので活用してください。

社内研修のスケジュールを立てるときの5つのポイント

社内研修のスケジュールを立てる際には、大切なポイントがあります。滞りなく研修を進めるのはもちろん、受講者の集中力やモチベーション維持についても配慮しなければなりません。ここでは、どのようなポイントをおさえてスケジュールを立てれば良いかを解説します。

①社内研修のテーマを絞る

1つ目のポイントは社内研修のテーマを絞ることです。一日の研修のなかで複数のテーマを扱うと、研修内容に一貫性がなくなり、研修の質が低下する可能性があります。また一日に配布する研修資料や準備物が多くなり、受講者と社内講師の負担になりかねません。

例えば、新入社員のコミュニケーション能力向上を大きな目的として研修を実施するのであれば、研修テーマはコミュニケーション能力の向上に関連したものを選択しましょう。また、複数のテーマを扱わなければいけない場合は、以下のように1日ごとにテーマを設定すると良いでしょう。

日数テーマ
1日目ビジネスマナー習得研修(社会人として必要なコミュニケーション)
2日目アサーティブコミュニケーション研修(社内の人間とのコミュニケーション)
3日目営業力向上研修(社外の人間とのコミュニケーション)

また未経験者に対して、より深掘りして効果的な研修を実施するためには、1つの研修テーマに対して15時間以上の研修を実施することをおすすめします。

②休憩はこまめに入れる

研修中は、休憩をこまめに入れましょう。50分に一度10分間の休憩が目安です。理由は以下の3つです。

  • 受講者の集中力を維持させるため
  • トイレや食事の時間を確保するため
  • 次の研修の準備時間を確保するため

正午を挟む場合は、昼食を兼ねた1時間程度の長い休憩を取り入れます。しかし、食後の身体の反応として、副交感神経が活性化し眠気が強くなる場合があります。午後からは座学だけではなく、ディスカッションを取り入れるなどの工夫をすると良いでしょう。

③1日に詰め込みすぎない

社内研修のカリキュラムは、1日に詰め込みすぎないように注意しましょう。理由は以下の通りです。

  • 学習効率が悪くなる
  • 研修の終了時間が遅くなる
  • 受講者や講師の負担になる

1日に行うカリキュラムの数は3〜5つが望ましいといわれています。カリキュラムの数が多くなるのであれば、日数を分けてスケジュールを組むなどの工夫が必要です。新入社員研修の場合、研修時間を9〜10時開始、17〜18時終了に設定し、1日約7時間~7.5時間の研修を実施している会社が多く見られます。

中堅社員への研修の場合は、午前の9時~12時の3時間、または午後の13時~18時の5時間などを1日の研修時間に設定して実施している会社が多く見受けられます。

④基礎的な内容を優先する

研修では、基礎的な内容のカリキュラムを先に実施しましょう。基礎的なカリキュラムは経験者にとっては復習や再確認として効果があります。また、午前中は座学を中心に研修を進め、午後から体験学習を取り入れるのがおすすめです。なぜなら、体験学習は知識をつけてから行うとより理解が深まるからです。

⑤最後に振り返りの時間を設ける

社内研修の最後には、振り返りの時間を設けるようにしましょう。学んだ内容をアウトプットする時間は、知識の定着に有効です。振り返りには以下のような方法があります。

  • 小規模のテストを実施する
  • レポートにまとめてもらう
  • 少人数のグループを作って学んだことを発表する

記憶の定着にアウトプットは重要です。研修後に十分な振り返りの時間を確保して、受講者がアウトプットする時間を設けましょう。

効果的な社内研修のスケジュール時間

社内研修のスケジュール時間の配分を意識すると、より効果的に社内研修が進められます。受講者のモチベーションを維持しながら研修を進めるには、どのようにスケジュールを立てると良いのでしょうか。ここでは、効果的な社内研修の時間配分についてくわしく解説します。

1つのテーマは50〜60分

1つのテーマについて、カリキュラムの時間は50〜60分が適切です。大人の集中力の持続時間は、最大で50分ほどだといわれています。そのため、テーマ、カリキュラムの時間は1回につき50分を意識して設定しましょう。

引用:集中力はどれくらいの時間続くのか?集中力を高めるアイデアを紹介

20分ごとに話題を変える

同じカリキュラムの最中でも、20分経ったら話題を変えると集中力の維持に効果的です。大人の集中力の持続時間は50分とはいえ、人によって個人差があります。すべての方に集中力を保ってもらうために、20分ごとに話題を変えると良いでしょう。

例えば、50分の座学形式のカリキュラムの中で、20分講義をしたら残りの30分は問題を解いたりディスカッションの時間にしたりすると効果的です。

5〜8分ごとに受講者にアクションを起こさせる

20分ごとに話題を変えるだけではなく、5〜8分ごとに受講者にアクションを起こさせるとさらに効果的です。集中力を切らせないだけではなく、研修に興味を向けさせる効果もあります。座学をしているときに、8分に一度、受講者に質問を投げかけ、回答してもらうなどのアクションを積極的に取り入れてみてください。

5〜15分の休憩を1テーマごとに入れる

1つのテーマ、カリキュラムの間には5分〜15分の休憩をはさみましょう。休憩は学習効果を向上させる効果もあります。しかし、休憩時間が長すぎると逆効果になるので気をつけてください。研修が長引くだけではなく、受講者のモチベーションの低下になりかねません。

集中して研修に取り組む時間と休憩の時間にメリハリをつけることが重要です。集中が途切れる直前に休憩を挟み、集中力を回復させて再び取り組むサイクルを作ることができれば、より大きな効果を期待できます。

社内研修のスケジュール設定は未経験でも可能

社内研修を段取りよく進めていくには、研修を実施した経験のある方がスケジュールを立てるとスムーズかもしれません。しかし、研修スケジュールの作成が未経験であってもスケジュールは立てられます。ただカリキュラムを組んで時間設定すれば良いわけではないものの、特別な知識やスキルは必要ないでしょう。

ここでは、未経験の方が安心して社内研修のスケジュールを立てられる理由をお伝えします。

特別な知識は不要だから

社内研修のスケジュールを立てるのに、特別な知識や資格、スキルは必要ありません。スケジュールの立て方とポイントを意識すれば、誰でもスケジュールを設定できます。とはいえ、やはりスケジュールの設定に不安を感じる方もいるでしょう。

その際は、研修代行会社に外注するのも1つの手段です。スケジュールの設定だけを代行してくれる会社もあります。

誰でも初めは未経験だから

研修のスケジュールを段取りよく設定できる方でも、最初は未経験だったはずです。繰り返し研修のスケジュールを設定していくなかで、効率的で効果のある方法が身に付くでしょう。経験者やまわりのサポートを受けながらスケジュールを作成すれば、問題なく社内研修は実施されます。

社内にノウハウがあるから

社内研修を定期的にしている会社では、研修のノウハウが存在しています。カリキュラムの内容に関するものだけではなく、スケジュールの設定に関するノウハウもあるでしょう。今までの経験やデータをもとに作成された社内のノウハウは、会社の歴史が長いほど充実した内容になっています。

すでに社内研修のスケジュール設定のマニュアルが存在しているかもしれません。また、ノウハウが蓄積されていなかったとしても、これまでに社内研修を実施したことがあれば、前任の担当者に教えてもらえばすぐに解決できることでしょう。

社内研修のスケジュールを立てる必要性

社内研修を段取りよく進めていくためには、スケジュールの作成は必要不可欠です。社内研修のスケジュールを綿密に立てなければ、さまざまな問題が発生し、研修を実施する意味さえも失ってしまいます。ここでは、社内研修のスケージュールを立てる必要性についてお伝えします。

学習の意味がわからなくなる

社内研修の綿密なスケジュールを立てずに実施すると、何について学習しているのかわからなくなります。学習の効率が低下するだけでなく、受講者の学習意欲や集中力の低下を招いてしまうでしょう。そのため、受講者にはあらかじめスケジュールを配布し、どのようなカリキュラムが組まれているのか通知する必要があります。

進行の効率が悪くなる

社内研修の進行の効率が悪くなると、研修時間が徐々に引き伸ばされるため、受講者の集中力の低下や研修が終わる時間が遅くなるなどの問題が発生します。そのうえ、今後の社内研修に興味を持ってもらえなくなる可能性もあるでしょう。

社内研修のスケジュールを立てなかった場合、困るのは受講者だけではありません。進行の順序やカリキュラムの時間配分、休憩のタイミングがわからなくなるので、講師も研修を進めるのが困難になってしまいます。効率よく進行するためにも、研修のスケジュールの作成は不可欠です。

まとめ

この記事では、社内研修のスケジュールを立てる方法について解説しました。また、スケジュールを立てるときのポイントについても説明しています。社内研修は、ただ単にカリキュラムをこなせば良いわけではありません。受講者に効率よく学習してもらうため、時間配分やカリキュラムの順番を詳細に決める必要があります。

社内研修のスケジュールを立てるのが難しいと感じる方もいるでしょう。研修のスケジュール設定について不安を抱えている方は、ぜひキューズフルにお問い合わせください。研修に詳しいスタッフが、スケジュールの立て方を丁寧に解説します。

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