近年の採用市場では「応募が集まらない」「採用ターゲットと実際の応募者にギャップがある」といった課題に直面する企業が増えています。
皆さんも、人材の採用や定着に悩むことが多いのではないでしょうか?
特に中小企業にとっては、優秀な人材を確保するためには、自社の魅力を正しく伝えることが不可欠です。本記事では、求職者が本当に知りたい情報とは何か、そして、それをどのように求人情報や採用ページに反映させるべきかについて重視するポイントを「求職者目線」で詳しく解説します。
既に採用活動を行っている企業や、これから採用活動を始める担当者の方は、ぜひ採用サイトや求人票を書く際の参考にしてみてください。
1.転職成功者の「平均応募社数」は2社以上が91.9%!
求職者が企業を選定し、応募するまでの過程にはいくつかの重要なポイントがあります。
近年の採用市場においては、求職者は多くの企業からオファーを受けたり、自ら積極的に情報を収集したりしながら、自分に最適な企業を選ぶ傾向が強まっています。
実際、dodaが行った調査によると、転職活動を始めてから内定までに応募した求人数は平均27.0社。全体のうち、91.9%の人が2社以上の企業に応募しており、さらに60.3%の人の応募社数は11社以上で、転職成功者の多くが積極的に求人応募を行うことで、内定を手にしている。という実態が明らかになっています。
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引用:転職成功者の「平均応募社数」|doda
このような市場環境の変化を踏まえ、企業は求職者の視点に立ち、魅力的な情報発信を行うことが求められています。
2.応募が集まらない採用サイト・求人票の特徴と改善ポイント
実際に採用活動を行っていても、「応募がなかなか集まらない」という課題を抱える企業は少なくありません。求人情報の作り方によっては、求職者が興味を持たず、応募に至らないケースが多々あります。求職者の応募意欲を低下させる要因には、以下のような特徴があります。
①入社後の働く姿を具体的にイメージできない
求職者にとって、求人情報は企業を知るための重要な手段です。しかし、仕事内容が大まかだったり、業務の具体的な流れが記載されていなかったりすると、「実際にどのような仕事をするのか」「自分が活躍できるのか」がイメージしにくくなります。
具体的な課題
- 仕事内容が曖昧:「営業職募集」など、大枠の説明だけで業務内容が不明確
- 入社後のキャリアパスが不透明:「キャリアアップ可能」と書かれているが、具体的な昇進事例がない
- 求める人物像が抽象的:「コミュニケーション能力のある方」「成長意欲の高い方」など、求職者が自己判断しにくい
改善ポイント
- 業務内容を明確に記載する:「例)〇〇業界向けに自社のSaaSサービスを提案する法人営業職。商談は1日〇件、顧客の課題をヒアリングし、最適なプランを提案。」
- 具体的なキャリアパスを示す:「例)入社2年目でリーダー昇格の実績あり。3年目でマネージャーに昇進した社員も多数在籍。」
- 求める人物像を具体化する:「例)営業経験3年以上、またはIT業界での顧客対応経験がある方」
求職者が知りたい情報の比較例
求職者が知りたい情報 | 求人票によくある記載 | 改善後の記載例 |
---|---|---|
仕事内容の詳細 | 営業職 | 〇〇サービスを法人向けに提案し、受注後のフォローも担当。 |
昇進・キャリアパス | キャリアアップ可能 | 3年でマネージャー昇格、5年で事業責任者への昇進実績あり。 |
②企業側が伝えたい情報だけ載せている
企業は「自社の魅力を伝えたい」と考えるものの、それが必ずしも求職者が知りたい情報とは限りません。
dodaの調査によると、求職者が転職を考える主な理由の上位は「給与」「昇進」「評価制度」に関するものと「人間関係」「社内の雰囲気」に関するものです。
【総合】転職理由ランキング(1〜10位) ※2023年7月~2024年6月
順位 | 転職理由 | 割合 |
---|---|---|
1 | 給与が低い・昇給が見込めない | 33.60% |
2 | 人間関係が悪い/うまくいかない | 22.70% |
3 | 社内の雰囲気が悪い | 21.10% |
4 | 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) | 20.30% |
5 | 昇進・キャリアアップが望めない | 19.60% |
6 | 肉体的または、精神的につらい | 19.50% |
7 | 会社の評価方法に不満があった | 18.10% |
8 | 業界・会社の先行きが不安 | 17.40% |
9 | 尊敬できる人がいない | 17.20% |
10 | スキルアップしたい | 16.10% |
引用:転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!|doda
このデータからもわかるように、「給与・待遇」「人間関係」「社内の雰囲気」に関する情報が不足していると、求職者は応募を見送る可能性が高くなります。また、ランキングの全35項目のうち、33位は「人と関わる仕事をしたい」の5.2%でした。
これを例に挙げると、「たくさんのお客様と関われる仕事です」という点を求人サイトや求人票で掲載していた場合、それは企業が伝えたい情報だったとしても求職者が知りたい情報ではないかもしれません。求職者にとって重要な情報は、企業側が都合の良い情報だけでないことを理解することが大切です。
具体的な課題
- 企業理念やビジョンの説明に終始:「当社は〇〇を目指す企業です」といった記載が多い
- 働き方や待遇の記載が不十分:「福利厚生充実」「働きやすい職場」といった抽象的な表現のみ
- 求職者が知りたい情報を隠している:給与の詳細が非公開、残業時間や有給取得率が不明
改善ポイント
- 求職者が気にする「給与・昇進・評価制度」の情報を開示:「例)年収〇〇万円〜〇〇万円(入社3年目のモデル年収:〇〇万円)」
- 実際の働き方を具体的に記載:「例)月平均残業時間〇〇時間、有給取得率〇〇%」
- 社風・ビジョンは簡潔にし、リアルな情報を重視:「例)「風通しの良い職場」ではなく「SlackやTeamsを活用し、上司とも気軽にコミュニケーションが取れる環境」
3.求職者が応募前に本当に確認したい情報とは?
求職者は企業選びの際に「この会社に応募・入社すべきか」「自分自身を適切に評価してくれる環境か」を判断するために、さまざまな情報を求めています。企業が伝えたい情報ではなく、求職者目線で知りたい情報を掲載することで、応募率を向上させることができます。
それでは、求職者が応募前に本当に確認したい情報について、下記の6つの観点から見ていきましょう。
①事業内容や理念を明確に伝える
求職者は、「転職によってキャリアアップできるか」、「給与が上がる可能性があるか」、そして「その企業で働くことで明るい未来が待っているか」を重視します。また、自分の前職の経験を活かしながら貢献できるか・アピールできるかどうかも考えています。
そこで、まずは企業のミッション・ビジョン・バリュー・社会的役割など、事業内容や理念を明確に伝えることが重要です。この情報が具体的であればあるほど、求職者の興味を引き、応募につながりやすくなります。
✔ 採用情報に記載すべき事業内容や理念のポイント
項目 | 具体例 |
---|---|
事業の社会的意義や成長性を具体的に説明する | 当社は食品業界向けの物流を強化し、日本全国の生鮮食品を新鮮なままお届けすることに貢献しています。昨年の物流改善プロジェクトにより、配送の効率が20%向上しました。 |
企業が大切にしている価値観やビジョンを明文化する | 『挑戦し続けること』を企業の根幹に据え、新しい技術の導入を積極的に推進しています。社内には定期的に技術勉強会を実施し、社員全員が成長できる環境を整えています。 |
業界未経験者にも分かりやすい言葉で事業内容を説明する | 当社はEコマースサイト向けのフルフィルメントサービスを提供しており、注文管理から配送までを一括してサポートします。未経験者でも研修を通じて業界知識を身につけられます。 |
事業の幅(例:物流なら海運業、倉庫業、宅配など)を明示する | 物流事業は、海運業・倉庫管理・個人宅配と多岐にわたり、求職者の経験を活かせるポジションが多数あります。営業経験者は法人向けのロジスティクス提案職、ドライバー経験者は輸送管理の業務など、多様なキャリアパスを提供しています。 |
➡ 美辞麗句ではなく、求職者が「この会社なら成長できそう」「ここなら給与が上がりそう」「働いていて楽しそう」と事業の実態を感じられるような具体的な内容を伝えることが重要です。
②募集背景を詳細に説明する
求職者は「なぜこのポジションが募集されているのか?」「採用人数は何人か?」「一緒に働く仲間や先輩は何人いるのか?」を知りたがっています。欠員補充なのか、新規事業の拡大による増員なのかによって、企業の成長や安定性を判断する重要な材料になります。特に、一緒に働くチームの規模や、指導してくれる先輩の有無などは、職場環境をイメージしやすくするための重要なポイントです。
✔ 採用情報に記載すべき募集背景のポイント
項目 | 具体例 |
---|---|
募集の理由(欠員補充・事業拡大・新プロジェクト立ち上げなど) | 当社では事業の拡大に伴い、新たに営業職を2名募集しています。既存顧客のフォローだけでなく、新規開拓を強化するための増員です。 |
そのポジションの役割や期待される成果 | 今回の採用では、法人向け新規開拓営業を担当していただきます。初年度の目標は、10社以上の新規契約獲得を目指していただきます。 |
どのようなスキルや性格が求められるのか | コミュニケーション能力が高く、顧客との関係を築くことが得意な方を求めています。営業経験2年以上の方、または法人営業に興味がある方が理想です。 |
一緒に働く仲間の人数 | 営業部は現在8名(男性5名、女性3名)で構成されており、平均年齢は30歳です。チームでの協力を大切にする文化が根付いています。 |
指導・研修体制 | 入社後は、3ヶ月間の研修期間を設け、既存社員がマンツーマンで指導します。また、OJT形式で実務を学びながらスキルアップできる環境を整えています。 |
➡ 募集背景を明確にすることで、求職者が自分に合っているか・前職の経験から採用されやすそうかを判断しやすくなり、入社後の職場環境をイメージし、自信を持って転職活動・応募・面接に臨むことができます。
③詳しい仕事内容を具体的に記載する
同じ職種でも、企業ごとに仕事内容は異なります。求職者は、「自分のスキルやキャリアプランに合っているか」「転職時に自己PRしやすいか」といった観点から、できるだけ詳細な情報を求めています。業務内容を明確にすることで、求職者は「この仕事でどのような経験を積めるのか」「どのような経験を活かせるのか」を具体的にイメージしやすくなり、採用後のミスマッチを防ぐことができます。
✔ 採用情報に記載すべき仕事内容のポイント
項目 | 具体例 |
---|---|
具体的な業務内容 | 営業職の場合:既存顧客フォローを中心にしながら、新規開拓の業務も一部担当します。既存顧客からの紹介を活用し、月に5件の新規案件獲得を目指します。 |
業務の流れや1日のスケジュール | 営業職の場合:9:00 出社・メール確認 → 10:00 顧客訪問・商談 → 12:00 ランチ → 13:30 新規リストの作成・アプローチ → 15:00 チームミーティング → 17:00 日報作成・翌日の準備 → 18:00 退社 |
業務で使用するツールや技術 | 営業職の場合:CRMツール(Salesforce)、プレゼン資料作成ツール(PowerPoint、Canva)を使用します。研修で使用方法を学べるため、未経験の方でも安心して取り組めます。 |
➡ このように具体的な仕事内容を示すことで、求職者は「この会社でどんな経験を積めるのか」「どのスキルが活かせるのか」を判断しやすくなります。また、企業側にとっても、適性のある応募者を集めることで採用の成功率が高まり、早期離職を防ぐことにつながり、ミスマッチを防ぐことができます。
④職場環境やチームの雰囲気を伝える
職場の人間関係は転職理由の上位に挙げられるほど重要な要素です。求職者は「前職で感じた不安はなさそうか」「入社後に上手く馴染めそうか」「プライベートと仕事にメリハリを付けられるか」といった点を重視しながら職場環境を判断しています。どんな人たちと働くのか、どんな考え方を持っているチームなのかを具体的に伝えることで、安心して応募しやすくなります。
✔ 採用情報に記載すべき職場環境やチームの雰囲気のポイント
項目 | 具体例 |
---|---|
チーム構成(人数、年齢層、男女比) | 営業部は現在10名(男性6名、女性4名)で、20代から40代まで幅広い年齢層が在籍しています。メンバー同士の相談が活発で、困ったことがあればすぐに聞ける環境です。また週1回の勉強会でスキルアップを目指しています。 |
働く環境がわかる写真や社員インタビュー | オフィスの様子や、実際に働いている社員のインタビューを掲載。『転職してから、プライベートと仕事の両方を充実して、楽しく仕事ができています。』『未経験からでも成果が出せる研修制度があり、社内の雰囲気も良く、入社してすぐに馴染めました』といった社員の声を紹介する。 |
チームのミッションや協力体制 | 当社のクリエイティブ部門では、、デザイナーとエンジニアが連携し、案件ごとにチームを組んで制作を進めるスタイルです。プロジェクトごとのミッションを明確にし、最適な人材配置を行いつつ、毎週1回のミーティングで進捗を共有し、経験豊富な先輩がアドバイスをする仕組みがあります。 |
➡ 求職者が「この会社なら前職のような不安はなさそう」「すぐに馴染めそう」「仕事とプライベートのバランスが取れそう」と感じられる情報を提供することが重要です。また、企業側にとっても、職場環境を具体的に伝えることで、企業文化に合った人材を採用しやすくなり、定着率の向上につながります。
⑤社風・カルチャーを明確にする
求職者は、前職と転職先の社風・カルチャーを比較して「自分が成長できる環境か」「社内の人間関係がストレスなく続けられるか」「風通しが良く相談しやすい環境か」といった点を重視します。「企業の文化や価値観が自分に合うかどうか」を明確に伝えることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
✔ 採用情報に記載すべき社風・カルチャーのポイント
項目 | 具体例 |
---|---|
企業の価値観や働き方のスタンス | 当社は『挑戦を評価する文化』を大切にし、新しいアイデアを積極的に採用。成果を上げた社員は年齢や経験に関係なく評価され、昇進やボーナスに反映されます。 |
チームワークの重視度 | 当社はチームワークを重視し、プロジェクトごとにチームを編成し、意見交換を活発に行います。新入社員には必ずメンターが付き、安心して業務を始められる環境です。 |
社内イベントや交流の頻度 | 任意参加で、月1回の社内懇親会や、年に1回の社員旅行を実施。部門を超えたコミュニケーションを促進し、部署間の連携を強化しています。 |
➡ 社風を具体的に伝えることで、求職者は「この会社なら成長できそう」「安心して長く働けそう」と感じやすくなります。一方で、企業側にとっても、自社の文化に合った人材を採用しやすくなり、定着率の向上につながります。また、採用後のギャップを減らし、早期離職のリスクを抑えることにもつながります。
⑥応募資格・求める人物像を具体的に記載する
求職者は、「仕事内容や社風が合っていても、応募できる条件を満たしていないかもしれない」と不安に感じる求職者も多いです。応募資格や求める人物像について、具体的かつ明確に記載することで、適切な応募者を集めることができます。
ただし、応募資格を厳格にしすぎると、潜在的にマッチする優秀な求職者が応募をためらう可能性があります。そのため、「必須」ではなく「歓迎」「〇〇相当のスキルが理想」といった幅をもたせた表現を活用し、応募のハードルを適切に調整することが重要です。
✔ 採用情報に記載すべき応募資格・求める人物像のポイント
項目 | 具体例 |
---|---|
応募資格(必須スキルと歓迎スキルを明確に区別する) | ・必須:法人営業経験2年以上、または2年未満でもそれに準ずる顧客折衝の経験 ・歓迎:新規開拓営業の経験、英語スキル(TOEIC700点以上またはそれに相当する語学スキル)、マーケティング知識 |
求める人物像 | ・(営業職なら)新規市場を開拓する際に未知の顧客層に対して柔軟に対応し、戦略を立てられる方 ・(事務職なら)既存の業務フローの改善や効率化の提案ができる方 ・(エンジニア職なら)新しい技術を積極的に学び、プロジェクトでの課題を自主的に解決できる方 |
基本的なPCスキル | ・Excelでの正確なデータ入力、フィルターの利用、簡単な数式・関数の入力ができる方 ・Wordでの社内外のビジネス文書作成・印刷経験がある方 ・PowerPointでプレゼン資料作成経験がある方 ※業務での使用経験がない場合でも、学ぶ意欲があれば歓迎します。また過去に作成したことのある資料があれば、面接時に見せてください。 |
その他の経験年数や資格の具体的な条件 | ・目安として3年以上の実務経験(業界未経験でも近しい経験があれば可 ・宅地建物取引士資格保持者歓迎、または不動産業界での営業経験がある方 |
➡ 応募資格を明確にしつつも、柔軟性を持たせることで、求職者は「この企業なら自分のスキルを活かせそう」「業界または職種に関するいずれかの経験が浅くてもチャレンジできそう」と感じ、応募しやすくなります。また、企業側にとっても、条件に合った適切な応募者が増え、採用の精度が向上し、採用コストの削減や早期離職の防止につながります。
求職者が応募前に本当に確認したい情報について、まずは以上の6つ観点をベースに求人サイトや求人票に記載している情報を修正してみましょう!キューズフルでは、採用支援の一環として、無料で求人票添削も行っていますので、お気軽にご相談くださいませ。
4.求職者が転職時に最も重視するポイントとは?
これまでは、求職者が応募前に本当に確認したい情報をご紹介しましたが、次は求職者が重視するポイント・条件についてご紹介します。企業が求職者のニーズを理解し、求職者が求める求人情報を提供することで、応募率の向上や採用成功率のアップが期待できます。求職者は求人票のどの項目を重視しているのでしょうか。
転職サイトd’s JOURNALのデータを元に、下記に主要なポイントをまとめました。
順位 | 重視する条件 | 具体的な内容 |
---|---|---|
1位 | 勤務地 | 通勤時間・リモートワークの可否 |
2位 | 年収 | 初年度年収・昇給制度 |
3位 | 仕事内容 | やりがいやキャリアパス |
4位 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・業務委託など |
5位 | 企業の安定性 | 売上推移・成長戦略 |
1位:「勤務地」
求職者が最も重視する条件は「勤務地」です。多くの求職者が、自宅からの通勤距離や通勤時間を考慮し、働きやすい環境を求めています。
求職者が勤務地を重視する理由 | 企業ができる対策 |
---|---|
通勤時間の短縮によりワークライフバランスを向上させたい | 「駅チカ」「バス停から徒歩圏内」などアクセス情報を具体的に記載する |
家庭の事情(育児や介護)に配慮しながら働きたい | フルリモート、ハイブリッド勤務など柔軟な働き方を提示する |
交通費の負担を抑えたい | 転居を伴う転職をサポートする(引越し手当の支給など) |
➡ 近年では、コロナ禍の影響でリモートワークが普及したため、企業側の勤務地への認識が薄れつつあります。特にIT・クリエイティブ業界では、在宅勤務を希望する求職者が増加傾向にあるため、勤務地に加えて勤務形態の柔軟性をアピールすることが重要です。また、求職者にとっては、「これまで通勤時間が無駄に感じていた」という声だけでなく、「引っ越しが難しい」「子どもの送り迎えの必要がある」といった、自分だけでは解決が難しい環境にあることから、立地条件を優先に絞り込む人が多いようです。
2位:「年収」
年収は、勤務地に次いで求職者が最も重視するポイントです。特にキャリアアップを目指す求職者にとっては、これまでの経験やスキルが適正に評価されるかどうかが重要視されます。
求職者が年収を重視する理由 | 企業ができる対策 |
---|---|
現職よりも高い給与を得て生活の質を向上させたい | 「想定年収」「モデル年収例」など具体的な金額を明記する |
これまでのスキルや経験が適切に評価されているかを確認したい | 昇給制度やインセンティブの詳細を記載し、成長に応じた給与アップの仕組みを提示する |
物価上昇の影響を受け、安定した収入を確保したい | 競合他社と比較した魅力的な給与レンジをアピールする |
➡ 求職者は単に高い年収を求めるだけでなく、長期的なキャリアプランの中で「安定した収入が得られる環境か」「成果に応じた報酬があるか」を見ています。給与だけでなく、福利厚生や働き方の柔軟性と合わせてアピールすると効果的です。
3位:「職種」
「職種」も求職者にとって非常に重要なポイントです。求職者は自身の経験やスキルを活かせる仕事を求めており、異業種転職を考える場合も、「これまでの経験が活かせるか」を重視します。
求職者が職種を重視する理由 | 企業ができる対策 |
---|---|
これまで培ってきたキャリアを活かしたい | 具体的な仕事内容を明記し、求めるスキルセットを詳細に記載する |
スキルアップしながら成長できる環境を求めている | OJTや研修制度を紹介し、未経験者でも挑戦できる環境を伝える |
仕事内容が明確で、自分に適した職務内容かどうかを知りたい | キャリアパスの具体例を示し、成長できる職種であることをアピールする |
➡ 求人情報には、職種名だけでなく、「具体的な業務内容」「1日の流れ」「キャリアパス」などを記載し、求職者が応募後の働き方をイメージしやすいようにしましょう。
4位:「雇用形態」
安定志向の強い求職者にとって、雇用形態も重要なポイントです。特に正社員としての雇用を希望する求職者が多く、「長期的に働きたい」「安定した環境でキャリアを築きたい」というニーズが根強くあります。
求職者が雇用形態を重視する理由 | 企業ができる対策 |
---|---|
正社員として安定したキャリアを築きたい | 雇用形態(正社員・契約社員・業務委託など)を明確に記載する |
契約社員や派遣社員としてのリスクを避けたい | 正社員登用制度がある場合は、その実績を具体的に提示する |
福利厚生や各種制度を利用したい | 柔軟な働き方が可能な場合(副業OK、フレックス制など)は積極的にアピールする |
➡ 特に若年層の求職者の中には、ワークライフバランスを重視しつつも安定したキャリアを求める人が多く、雇用形態の透明性を担保することで応募意欲を高めることができます。
5位:「休日・労働条件」
働き方改革やワークライフバランスの重要性が高まる中、求職者は「完全週休2日制」「年間休日120日以上」などの条件を重視する傾向が強まっています。
求職者が休日・雇用条件を重視する理由 | 企業ができる対策 |
---|---|
仕事とプライベートのバランスを保ちたい | 休日数を明確に記載し、柔軟な働き方を提示する |
週末にしっかり休める環境を求めている | 有給取得率や休暇制度をアピールする |
家族との時間や趣味の時間を確保したい | 柔軟な働福利厚生としての休暇支援(リフレッシュ休暇など)を導入する |
➡ 特に求職者にとっては、働きやすい環境や休日の取りやすさが重要なポイントとなるため、休日・労働条件を明確に示すことで、安心して応募できる企業としての魅力を高めることができます。
求職者にとって転職活動は、次のキャリアを築く第一歩であると同時に、これまでの生活環境や仕事のやり方を一変する人生の転換期です。求職者が重視するポイントを正確に捉え、求職者に入社後を具体的にイメージさせる情報を伝えましょう。
5.まとめ|応募を増やすための採用情報改善ポイント
採用市場が激化する中、企業が求職者に選ばれるためには「求職者目線の情報提供」が不可欠です。本記事で紹介したポイントを押さえ、自社の魅力を最大限に伝えましょう。
✔ 採用情報を改善するためのチェックリスト
✅ 事業内容・企業理念を明確に伝えているか
✅ 採用の背景を具体的に記載しているか
✅ 業務内容を詳細に説明しているか
✅ 職場環境やチームの雰囲気を伝えているか
✅ 応募資格や求める人物像を明確にしているか
企業が「選ぶ側」ではなく「選ばれる側」であることを意識し、求職者に響く情報発信を心がけることが大切です。キューズフルは、採用のその先へ。をテーマに、企業の成長を包括的にサポートしています。応募率を向上させるための求人票の添削も無料でサポートしていますので、お気軽にご相談くださいませ。
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