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【管理職研修Vol.3】管理職の適性検査に関する基本について|種類・メリット・例題などを紹介

職場の管理職を登用する際には、さまざまな情報を参考にして選考を行います。しかし、どれだけ多くの情報を活用して時間をかけても、最適な人選ができないケースも珍しくありません。そこで考えられるのが、管理職の適性検査の活用です。本記事では管理職の適性検査の基本やメリット、例題などを解説します。

管理職の適性検査とは?

管理職を新たに登用する際には、適性検査を実施して人材を選別することが考えられます。管理職にはさまざまな適性や能力が必要になるため、適性検査を使って個人の資質を見抜くことが重要となります。以下では、管理職の適性検査の基本を解説します。

管理職として活躍できる適性があるか判断する検査

管理職の適性検査とは、その人が管理職として登用された場合に、求める成果を出せるのか判断するための検査です。管理職として適性があり、仕事をこなしていける能力があるのかを客観的に判断する指標として、適性検査が用いられています。適性検査を実施することで、企業は自社にメリットのある人材を管理職に推薦可能です。

推薦された従業員も、管理職として活躍できれば、自信をつけて今後のキャリア形成に活かすことが可能です。このような結果から適性検査は、企業と従業員にさまざまな効果をもたらすと評判です。

管理職の適性検査の主な内容

管理職の適性検査では、主に下記の内容が実施されます。

  • 能力適性検査:学力や思考力が試されるケースが多く、一般的な新卒採用試験などに近い方法で実施・評価する
  • 性格適性検査:主に人柄の確認が行われ、管理職に適した人材であるかを評価する
  • 指向適性検査:どのような仕事が得意なのか、どんな仕事を避けているのかを確認し、管理職として働いていけるのか、個人の好き嫌いにスポットを当てて評価する

あくまで試験による結果であるため、適性検査の結果を参考に、普段の素行や態度も評価するようにしましょう。

上記のような適性検査は、基本的に筆記試験・小論文・面接・面接などでチェックします。各検査の内容を総合的に判断して、管理職への登用を決定するのが流れとなるでしょう。

管理職の適性検査の目的

管理職の適性検査は、公平な視点から適した人材を探し出すのが目的になります。

管理職を選択するのは、結果的に会社の上層部および人事担当者です。そこにはどうしても人の好みや人間関係が入り込むため、ときには正しい選択ができない可能性もあります。そこで管理職の適性検査を実施し、公平に個人の適性を見極めるケースが増えています。

適性検査を通すことで、その人が管理職に向いているのかを、客観的に判断しやすくなります。主観を極限まで排除したうえで昇進・昇格を決定できるため、管理職として活躍できる人を選べる可能性が高まるでしょう。

昇進・昇格試験を実施している企業は多い

昨今は管理職への昇進・昇格試験で、適性検査を導入している企業も増えています。管理者適性検査NMATが実施した「昇進・昇格に関する調査結果」によると、一般職の従業員から管理職への昇格時に試験を実施する割合は、66.3%となっています。実施内容における適性検査の割合は、36.2%です。

これは「筆記試験・論文・レポート」「面接」に次いで、3番目に高い数値になっています。一般的に実施される筆記試験や面接と同様に、適性検査の重要性も認知されていると判断できるでしょう。

参考:昇進・昇格に関する調査結果|管理者適性検査NMAT

管理職の適性検査を行うメリットとは?

管理職の適性検査を実施することには、多くのメリットがあります。適性検査を参考に人事采配を検討すれば、より従業員の能力を活かしやすくなるでしょう。以下では、管理職の適性検査を実施する際のメリットを解説します。

適切な人材を管理職に登用できる

管理職の適性検査は、適切な人材を管理職に登用できるきっかけになります。管理職に求められる能力やスキルは多く、簡単には最適な人材を選別できません。一般の従業員として高い能力を発揮できていても、管理職になった途端に成果が出せなくなるケースは珍しくありません。

そのためこれまで実績だけでなく、適性検査を通して管理職に向いている人を探し出すことが重要です。また、管理職に求められる能力や態度は、時代によって変化しています。従来の選別方法をそのまま活用していると、時代に合わない人材を管理職に登用してしまうリスクもあるでしょう。

管理職の登用理由を社内に納得してもらえる

管理職の適性検査は、登用の理由を納得してもらう理由にもなります。なぜその人が管理職に選ばれたのか不明瞭だと、現場から不満が出る可能性もあります。選ばれた本人も自信がつかず、仕事の効率が落ちるなどのデメリットにつながるケースも考えられます。

管理職の適性検査を理由に登用したことを説明すれば、従業員に納得してもらえる可能性が高まります。少なくとも贔屓などによって選ばれたわけではないことが伝わるため、公平性を保っているとアピールできるでしょう。

管理職の登用に時間を取られなくなる

管理職の適性検査を実施することで、登用に時間を取られなくなる点もメリットです。管理職を選別する際には多くのデータを参考にしてシミュレートし、複数回の考察を繰り返して最適な人材をピックアップしていきます。しかし、あまりに長い時間がかかると、管理者の交代が滞って事業に支障が出る可能性もあるでしょう。

そこで管理職の適性検査を活用し、その結果を参考にする方法が検討されます。管理職の適性検査は短時間で終了するため、重要なデータを簡単に収集できます。登用にかかる時間の短縮に貢献できる点も、管理職の適性検査が注目されている理由の1つです。

従業員に今後の課題や問題解決のヒントを与えられる

管理職の適性検査は、従業員に対して課題や問題解決のヒントを与えるきっかけにもなり得ます。管理職の適性検査は、その人にとって足りない要素を発見することつながります。そういった情報を適性検査の受験者に提供することで、これからのスキルアップの方向性や、キャリア形成に役立ててもらえるでしょう。

仮に今回は管理職への登用を見送ることになっても、提供した情報を参考にスキルアップを進めた結果、改めて管理職に最適な人材に成長してくれるケースにも期待できます。

管理職研修などの育成につなげられる

適性検査で選ばれた人材は、管理職として成長していける可能性が高いです。そのため管理職研修などの教育を実施することで、潜在能力を引き出すことが考えられます。管理職研修では、管理職に必要なスキル・能力の学習に加えて、役職につく際に求められる考え方や姿勢について知ることも可能です。

管理職としてあるべき姿をスムーズに伝えられるため、効率よく人材育成を進められるでしょう。管理職の適性検査を実施して登用したあとは、さらに管理職研修を導入して育成に力を入れるのもおすすめです。

管理職の適性検査で使用の主な種類

管理職の適性検査には、さまざまな種類があります。どの適性検査を利用するかで、準備や管理職の選定時のポイントは変わるでしょう。以下では、管理職の適性検査で使用される種類を解説します。

NMATによる適性検査

NMATとは、リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査です。全国の管理職層の検査結果と比較できるため、自社内だけでの優劣で管理職を選ぶことなく想定的な評価を確認できます。NMATでは「適性」と「指向(職業観)」を軸にして、実証データに基づいた4つの役職タイプごとに判定するのが特徴です。

その役職タイプにどの程度向いているのか、職業観とどれくらいマッチしているのかといった点をかけ合わせて、適性を客観的に判断できます。

DPIによる適性検査

DPIとは、パーソナリティ特性に属する「態度能力」を測定するための適性検査です。態度能力は社会的な成功に必要な能力と位置付けられていて、「積極性」「協調性」「責任感」といった14の項目を軸に特性を診断するのが特徴です。DPIを活用して検査を実施することで、その人の適性を把握し、その後の育成や登用に活かせます。

自社独自の適性検査を実施しているケースもある

企業によっては独自の適性検査を作成し、登用時の参考データとして使用しているケースもあります。適性検査のプロフェッショナルと協力し、事業内容や職場環境を考慮したオリジナルの検査を使い、管理職に適した人材を見極める方法もあります。しかし、独自の適性検査は他社との比較ができず、想定評価が難しいです。

また、適性検査の結果が正しいと立証するのも困難なため、従業員に納得してもらえない可能性も高まります。そのため管理職の適性検査を実施する際には、NMATなどを活用する方法がおすすめです。

NMATが広く活用されている理由

管理職の適性検査では、NMATが広く利用されています。実際にNMATの結果を参考にして、管理職を登用するケースも珍しくありません。以下では、NMATが多くの企業で活用されている理由を解説します。

公平性が高い検査として認知されている

NMATは、公平性が高い適性検査として認知されています。NMATの結果は偏差値として表示されるため、全国の結果と比較して自身の立ち位置を確認できる点が特徴です。社内だけでなく、全国規模での評価が可能なため、公平かつ客観的な視点から管理職の選別が行えるでしょう。

また、NMATは50年以上の歴史を持つ適性検査であるため、信頼できる実績を持っている点も特徴です。50年間で培った豊富な実証データを使い、検査を受けた人の将来性や適応度を高い精度で予測できます。

管理職としての適性と指向(職業観)を確認できる

先の解説通り、NMATでは管理職を適性と指向(職業観)で確認可能です。管理職に関する適性は「組織管理タイプ」を軸に判断できるため、スムーズな登用につながるでしょう。そのほか、NMATは「性格特徴」「基礎能力」「特徴コメント」といった項目を、報告書でまとめて提供します。

各項目の内容を踏まえたうえで、自社の管理職に最適な人材を把握することも可能です。

結果をフィードバックしてその後の成長に活かせる

NMATの結果は、すべてデータ化されて企業に提出されます。その内容を従業員にフィードバックすることで、その後の成長の糧にしてもらえる点もメリットです。企業向けの報告書とは別に、「本人用の報告書」も無料で提供しているため、従業員のキャリア形成に活用してもらえるでしょう。

そのほか、解説書・読み取りサポート・管理職の立ち上がりをサポートするワークシートなど、さまざまな支援環境が整っています。NMATは適性検査だけでなく、その後の従業員の成長にも応用できます。

初期費用が不要で1人から利用できる

NMATの利用時には、初期費用がかかりません。1名からの受験も可能なため、管理職に適する可能性のある人材が少なくても問題なく利用できるでしょう。費用は利用した人数分加算される形になるため、受験者数が少なくても損をすることはありません。

自社のペースでNMATによる適性検査を受けられるため、コスト面の負担を最小限に抑えられるでしょう。また、Webでの適性検査は、結果を確認するまでの時間が短い点も特徴です。検査時間は約75分、報告までの時間は即時となっています。Webならどこからでも受験できるため、忙しい従業員でもスムーズに適性を確認可能です。

NMATの適性検査で出題される例題

管理職の適性検査を利用するには、実際にどんな問題が出題されるのか確認しておくのもポイントです。以下では、NMATの例題を参考にいくつかのパターンを紹介します。

概念的理解

NMATの能力検査では、「概念的理解」が実施されます。概念的理解では、文献や資料を参考に入手した情報を伝えたり、長文を読んで流れや論旨を汲み取って適切な表現を選ぶ問題形式が基本となります。言語を使った職務遂行能力は、管理職に欠かせないものとなるため、適性検査でしっかりとチェックする必要があるでしょう。

論理的思考

NMATの能力検査においては、「論理的思考」を試す試験も行われます。すでに持っている情報をもとにして、新規の情報や的確な判断力を発揮する力を測定します。与えられた情報を頼りにパターンを分析して、推測したり追加で必要となる条件を検討する例題などがあります。

管理職は感情ではなく、論理的に物事を分析していく能力が必要です。因果関係をたどって結論を引き出すかたちでの問題解決は、管理職が持つべきスキルになるでしょう。

まとめ

管理職に適切な人材を探す際には、適性検査の結果が参考になります。管理職という特別な役職を任せられる人材を見つけ出すには、それなりの時間と手間が必要です。適性検査は時間短縮と作業の効率化にもつながるため、管理職の登用時には積極的な利用が検討されるでしょう。

この機会に管理職の適性検査の特徴と方法を確認し、具体的な計画を立ててみてはいかがでしょうか。「キューズフル」では、管理職向けの研修や助成金の活用プランの提案などを行っています。管理職の能力を引き出すための活動を、低コストで実施する方法を考えられるため、ぜひお気軽にご相談ください。

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