研修の場面においても、「アイスブレイク」を行って緊張感をほぐすケースは多いです。主にアイスブレイクは研修を実施する側が行うものですが、参加者から見ても重要度の高い行動だと言えます。研修に臨む際にはアイスブレイクについて把握し、その効果を役立てるのもポイントです。
本記事では、研修の参加者にとってのアイスブレイクのメリットや注意点を解説します。
そもそもアイスブレイクとは?
研修中にアイスブレイクを活かすには、意味や効果、目的などについて理解する必要があります。何のためにアイスブレイクをするのか、どんな効果に期待できるのかを知ることが、基本的な準備となるでしょう。以下では、アイスブレイクの詳細を解説します。
不安や緊張を解きほぐすためのアクション
アイスブレイクとは、不安感や緊張感をときほぐし、空気を変えるためのアクションを意味します。氷のように緊張した空気をブレイクする・破壊するという造語であり、ビジネスをはじめとした多くのシーンで活用されています。研修の現場でもアイスブレイクを使って、参加者の緊張を解くことが多いです。
研修の初日は特に緊張感が強く、強張っている参加者も珍しくありません。そこで研修講師はアイスブレイクを行い、緊張を和らげて場の空気を温めることがあります。緊張がほぐれたところで本題に入ることで、スムーズに研修を進められます。
アイスブレイクの目的について
アイスブレイクの目的は、主に場を和ませたり発言しやすい雰囲気をつくり出したりすることにあります。強い緊張感は研修にとって、邪魔な存在になるケースが多いです。そこで研修講師はまずアイスブレイクにつながる会話やゲームを行い、学びやすい雰囲気を構築します。
研修に慣れている講師は、最初の挨拶や会話のなかに笑える要素やゲーム的な疑問を取り入れて、自然とアイスブレイクを行います。そのため研修中は気づかないうちに、アイスブレイクによって緊張がほぐされている可能性があります。
アイスブレイクの方法は多種多様
アイスブレイクの方法は1つではなく、さまざまなパターンがあります。例えば、下記のようなパターンが、アイスブレイクとして実践されています。
- GOOD&NEW:24時間以内に起きた嬉しいことを話す
- あと出しじゃんけん:わざとあいこにしたり負けたり、少し普段と違うことを指示して集中力を高める
- 謎解き脱出ゲーム:紙などに書かれたヒントを元に、物語形式で謎を解きチームの連帯感を高める
どのようなアイスブレイクが行われるのかは、研修内容や時間によって変わります。いずれにせよその研修に合ったアイスブレイクを実践することが、その後の成果に大きな影響を与えるでしょう。
研修の参加者もアイスブレイクが重要?
アイスブレイクは研修を実施する側だけでなく、参加者にとっても重要となります。参加者が積極的にアイスブレイクを実践することで、さまざまな効果を得られる可能性があるでしょう。以下では、研修の参加者から見たアイスブレイクの重要性を解説します。
他者とのコミュニケーション時にアイスブレイクが役立つ
アイスブレイクは、他者とコミュニケーションを取るときに役立ちます。研修では初めて会う人と会話をしたり、協力して課題を解いたりするシーンも多いです。そこでアイスブレイクを実践することで、2人の間にある緊張感がほぐれて、スムーズにコミュニケーションが取れるようになる可能性があります。
緊張しやすい人は自分を解きほぐすために使える
アイスブレイクは、緊張しやすい人の心を解きほぐすためにも使えます。自分が緊張しやすいタイプだとわかっているのなら、アイスブレイクを行って緊張する心を先に砕いておくのもおすすめです。同じように緊張しやすい人とコミュニケーションを取る際にも、アイスブレイクを行うのが有効です。
アイスブレイクを意識した言動で苦手意識の克服にもつながる
アイスブレイクを意識することで、研修などへの苦手意識を克服できる可能性もあります。研修の空気感が苦手な人は、そこにいるだけでストレスを感じるケースもあります。しかし、アイスブレイクを行って緊張をほぐすことで、苦手意識を忘れて研修に集中しやすくなるでしょう。
どうしても研修が苦手で嫌になってしまう人は、アイスブレイクを自分のために実践する方法もおすすめです。
研修でアイスブレイクが必要になるシーン
研修中は、あらゆるシーンでアイスブレイクが役立ちます。アイスブレイクをするかしないかで、その後の流れが変わることもあるでしょう。以下では、研修時におけるアイスブレイクが必要なシーンを解説します。
チームで課題に向き合うシーン
研修では、チームを組んで1つの課題に向き合うことも多いです。しかし、初めて顔を合わせた人ばかりだと、緊張感が先行してなかなか協力する姿勢になれないケースもあるでしょう。そこでアイスブレイクを実行し、チーム内の緊張感をなくすように努めるのがポイントです。
自己紹介で「自分の好きなことを1つ話す」というルールを追加したり、他己紹介で相手のことを知ったりと、さまざまなアイスブレイクが考えられます。
ビジネスマナーを学ぶシーン
ビジネスマナーを学ぶシーンでも、アイスブレイクが役立つ可能性があります。ビジネスマナーはどうしても真面目な空気になり、緊張感が高まりやすい傾向にあります。緊張感がよい意味で行動に反映されるのなら問題ありませんが、緊張のせいで失敗を繰り返す人がいる場合、ビジネスマナーの練習がスムーズに進まないでしょう。
そこで軽いアイスブレイクを行い、相手の緊張感をほぐすのも1つの方法です。アイスブレイクを行うことで「緊張のせいでの失敗であって、人格や能力に対する失敗ではないことを伝えられる」ので、コミュニケーションのきっかけにもなり得ます。
オンライン研修などで参加者同時の距離が遠いシーン
オンライン研修など、参加者同士の距離が遠いシーンでもアイスブレイクが活躍します。オンライン研修のように画面越しの会話は、どうしてもぎこちなくなります。結果的に会話が盛り上がらず、研修の効果を得られない可能性も懸念されるでしょう。
アイスブレイクを実施して会話に弾みをつけられれば、オンラインでも有益なコミュニケーションが可能です。特に複数人で会話をする際には、アイスブレイクを取り入れて全員が発言しやすい空気をつくるのがポイントです。
研修の参加者がアイスブレイクを行うメリット
研修の参加者がアイスブレイクを行うことには、自分にとって多くのメリットがあります。研修が思ったようにいかない場合には、アイスブレイクがその悩みを打ち砕くきっかけになるかもしれません。以下では、研修の参加者がアイスブレイクを行うメリットについて解説します。
いつも通りの自分を出せる
アイスブレイクを行うことで、研修への参加中でも自分らしさを発揮できるようになる点はメリットです。
緊張は自分の心を固くして、本来の姿を出す邪魔となります。緊張したまま研修を終えてしまうと、得られたはずの結果を引き出せなかったり、ほかの参加者と仲良くなるきっかけを逃したりする可能性があるでしょう。
アイスブレイクはそういった緊張をなくし、いつも通りの自分を出すための合図としても作用します。
チームの結束力を高められる
チームでの研修を行う際には、結束力を高める目的としてアイスブレイクの実施にメリットがあります。
社会人であっても、初めて会った人たちと上手く連携し、協力していくのは簡単ではありません。特に研修のように独特の緊張感がある場では、それぞれのパフォーマンスが発揮できないケースも多いです。
そこで積極的にアイスブレイクを実施し、チーム内でそれぞれの関係性を良好なものとすることが有効です。チームの関係がよくなれば、自然と空気から緊張感が薄れて、高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。
研修を冷静に観察できる
アイスブレイクを実践することで、研修を冷静に観察・分析できる点もメリットの1つです。
緊張した状態では、どうしても研修の内容を冷静に見れないことがあります。緊張したままでは集中力の継続が難しくなるため、肝心な部分を聞き逃す可能性も出てくるでしょう。
そのためアイスブレイクで緊張をほぐすことには、研修の効果を最大限に引き出すためのプロセスとして活用できます。緊張感が続けばそれだけ疲労も溜まるため、心身の負担を軽減するためにもアイスブレイクを試してみるのがおすすめです。
良好な人間関係を築ける可能性がある
研修におけるアイスブレイクは、良好な人間関係を築くきっかけになり得ます。アイスブレイクによってコミュニケーションをスタートさせることで、相手の緊張感も同時に吹き飛ばせる可能性があるでしょう。相手から興味を持たれれば、そのまま良好な関係の構築につなげられます。
一方で、必ずしも相手がこちらからのアイスブレイクおよび積極的なコミュニケーションを受け入れてくれるとは限りません。研修と割り切って参加している人もいるため、どこで線引きをしているのか見極めるのが重要です。
アイスブレイクの技術はほかの場面でも応用できる
アイスブレイクは研修だけでなく、ビジネスのさまざまなシーンで応用できます。例えば商談や営業など、緊張感がある雰囲気のなかで仕事をする際には、アイスブレイクが有効となり得ます。相手と信頼関係を築くためには、まずお互いを隔てている壁を取り払う必要があります。
アイスブレイクはその壁を打ち破るきっかけとなり、商談や営業を成功させる可能性を高めるでしょう。
研修の参加者がアイスブレイクをする際の注意点
アイスブレイクを研修の参加者が活用する際には、いくつかの注意点があります。事前にポイントを確認し、失敗しないように備えるのも重要です。以下では、研修の参加者がアイスブレイクをするときの注意点を解説します。
アイスブレイクの目的を決めておく
アイスブレイクを実行する際には、目的を明確にしておくのが重要です。例えば「相手と円滑なコミュニケーションを取る」「チーム内の緊張をなくす」など、目的を決めてからアイスブレイクを行いましょう。目的が決まっていれば、どのようなアイスブレイクが有効なのか、実際に効果があったのかを判断しやすくなります。
逆に、目的のないままアイスブレイクの真似事をしても、周囲からふざけていると捉えられる可能性があります。中途半端なアイスブレイクは不信感を生み出すきっかけになるため、事前に注意が必要です。
短時間で終わらせる必要がある
アイスブレイクは基本的に、短時間で終わらせる必要があります。長々と話をしたり、突然時間のかかるゲームを提案したりすると、相手の時間を無駄に奪う可能性があります。アイスブレイクの効果を引き出すどころか、相手の警戒心を高める結果になることもあるでしょう。
アイスブレイクを行うのなら1〜3分程度を目安にして、サッと終わらせる意識が重要です。
相手に強要しない
アイスブレイクのなかには、相手の協力が必要なものがあります。ゲーム系のアイスブレイクや自己紹介のなかで行うアイスブレイクは、全員で行ってはじめて効果が出るケースも多いです。しかし、アイスブレイクをしたくない相手に対して、しつこく強要することはNGです。
空気が悪くなることはもちろん、研修の邪魔になる可能性が高いです。あくまでアイスブレイクは周囲の同意が得られる状況でのみ、実行するように注意しましょう。
アイスブレイクに固執しない
研修の時間は、あくまでスキルの習得や能力アップのためにあります。アイスブレイクを試す練習の場ではないため、固執せずに不要な場合にはそのまま進行する柔軟性も必要です。アイスブレイクをすると決めたせいで、周囲と息が合わずにから回ってしまうケースもあり得ます。
アイスブレイクはあくまで緊張を解く手段の1つであるため、特別に意識する必要はありません。
空気に合わせて実行するか決める
ある程度カジュアルな雰囲気であれば、アイスブレイクの効果にも期待できます。しかし、ある程度の緊張感を保つことが求められる研修では、アイスブレイクが余計な行動になる可能性が高いです。空気を読んだうえで、アイスブレイクを実行するか決める判断力が必要になるでしょう。
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まとめ
研修時の緊張感をほぐす方法として、アイスブレイクは多くのシーンで実行されています。アイスブレイクは研修の参加者にとっても多くのメリットがあるため、基本を学んで実践してみるのもおすすめです。この機会にアイスブレイクのメリットや効果、注意点などを踏まえたうえで練習してみてはいかがでしょうか。
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