社内研修の講師を担当する際、研修の進め方や資料の作成はもちろん、講師の自己紹介も大切です。どんな内容で、どんなふうに伝えれば講師に興味を持ってもらえるか悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、一瞬で受講者を引き込む魅力的な自己紹介をしたいと考えている方に、社内研修における講師の自己紹介のコツをお伝えします。自己紹介の例文もありますので、ぜひ参考にしてください。
社内研修講師の自己紹介のコツとは
社内の研修で講師を務める際、最初の自己紹介は重要です。なぜなら、受講者にとって講師の第一印象になるからです。どのような内容の研修であるかは、資料を見ればわかります。しかし、これから始まる研修の質は、受講者が講師をどのように見るかで変わってくるでしょう。ここでは、社内研修の講師が自己紹介する際の5つのコツをお伝えします。
①自分が何者かを伝える
自己紹介で大切なのは、自分がどのような人間かを知ってもらうことです。受講者にとってどのような研修になるかは、講師の自己紹介で想像できます。正体が分からない講師の話を聞くのと、どんな経歴の持ち主から何を得られるかの姿勢で研修を受けるのとでは、研修に参加した意味も変わってくるでしょう。
②ジェスチャーを使う
自己紹介するときは、ジェスチャーを交えたり表情を豊かにしたりするなどを意識しましょう。口頭だけで自己紹介するよりも、受講者の印象に残ります。社内研修の会場の後ろの方に座っている方にも、講師の存在をアピールするには、動きを取り入れると効果があります。
③ゆっくり丁寧に話す
自己紹介する際は、ゆっくりと丁寧に話しましょう。ゆっくり話すのを意識するだけで、受講者側からすると話が聞き取りやすくなり、印象が変わります。人は、緊張すると話すスピードが早くなる性質があります。緊張していると感じたら、意識して話すスピードを落としてください。
人が聞いていて聴きやすいと感じる話し方の速度は、大体1分間に300字程度と言われています。これは、アナウンサーがニュースで原稿を読む速度です。話す側にとっては少しゆっくりと感じるかもしれませんが、自己紹介の際は、受講者の緊張を解きほぐすためにもゆっくり丁寧に話すことを意識すると良いでしょう。
④はっきりした口調で話す
自己紹介する際は、はっきりした口調で話すのも大事なポイントです。社内研修の規模によるものの、ほとんどの研修ではマイクを使用するでしょう。ですので、決して大きな声で話す必要はありません。声の大きさよりもはっきりした口調で話すのを意識すると、聞き取れないなどの問題は起こりません。
⑤話は簡潔に
自己紹介では、話す内容は簡潔にまとめましょう。自己紹介に時間をかけ過ぎるのはよくありません。氏名や所属部署、年齢などの基本プロフィールを話したら、あとは補足情報を1つか2つ追加するだけで十分です。
最初に長々と話をしてしまい、受講者を退屈にさせてしまうことも少なくありません。話はより簡潔にまとめて、スピーディに進めることを意識しましょう。
受講者を惹きつける自己紹介のポイント
前述した、社内研修の自己紹介のコツにくわえて、講師に興味を持ってもらうポイントがあります。社内研修で受講者を惹きつけるには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。ここでは、受講者を惹きつけるポイントをお伝えします。
笑顔で話す
自己紹介するときは、できるだけ笑顔で話すと受講者を惹きつけられるでしょう。笑顔にはコミュニケーションが円滑になる効果があります。また、笑顔はオープンマインドの証で、相手を受け入れる姿勢があるという意味になります。受講者の緊張や警戒心を和らげる効果もあるので、最初の自己紹介では笑顔で話すのを心がけるようにしましょう。
質問を投げる
社内研修を行う意義の1つに、講師と受講者の双方向コミュニケーションがあります。初めて顔を合わせる講師に興味を持ってもらうには、自己紹介の時間に簡単に答えられる質問を投げかけるといいでしょう。
それだけで受講者との距離は縮まり、受講者は講師の話を聞こうという姿勢になります。研修が中盤になれば、簡単な質問だけではなく、受講者に意見を求めるなど記憶に残るコミュニケーションに変えていきます。
アイスブレイクを行う
自己紹介の途中で簡単な質問を投げかける以外にも、アイスブレイクを取り入れるのもいいでしょう。アイスブレイクとは、緊張している受講者に対して雰囲気を和ませるために行うコミュニケーションの一種です。緊張がほぐれて、お互いにリラックスできる効果があります。ちょっとした運動やクイズなどが自己紹介の時間には適しているかもしれません。
研修の目的やゴール設定
自分が担当する社内研修の目的やゴールを、自己紹介のときに話しましょう。受講者のなかには、これから実施される研修で何を学ぶのか理解していない方もいます。受講者の学習へのモチベーションを高く維持するためにも、社内研修における目的やゴール設定は重要です。
専門用語を使い過ぎない
自己紹介のときに、難しい言葉や専門用語はできるだけ控えましょう。受講者は、必ずしも専門的な用語を知っているとは限りません。社内研修の始まりの時間には専門用語を使いすぎないように配慮が必要です。
体験談を話す
自己紹介の時間に自身の体験談や例え話を交えて話すのは、受講者を惹きつける効果があります。講師の成功体験は単なる自慢話になりかねません。しかし、社内研修における失敗談は、講師と受講者の距離を縮める効果があるでしょう。受講者は講師に対して親近感を覚えます。
ただし、注意点として、失敗談を話すのは1回だけに止めます。おもしろおかしく失敗談を話すのは社内研修の場では不適切で逆効果になってしまいます。
自己紹介の例文
前述した社内研修の講師の自己紹介する際のコツや、ポイントを踏まえて、自己紹介の例文を紹介します。初めて社内研修の講師を務める方は、ぜひ以下の例文を参考にしてください。
みなさん、こんにちは。本日研修を担当いたします〇〇と申します。 このカリキュラムでは、営業する際のアイスブレイクについて、座学や体験学習を交えながら講義していきます。 私は、弊社の営業部に所属している39歳の営業マンです。 営業先では必ず実施しているので、今回紹介するアイスブレイクには自信があります。 せっかくですから、コミュニケーションも兼ねて、みなさんと私でアイスブレイクしてみましょう。 |
このように、シンプルにまとめつつ体験学習を取り入れると、受講者の緊張が解れて本題へ入れるでしょう。
緊張をほぐすためのテクニックとは?
初めて社内研修の講師を務める方や、そもそも人前で話すのが苦手な方は、社内研修の直前に極度の緊張がおそってくるのではないでしょうか。そのような方のために、ここからは緊張をほぐすためのテクニックをお伝えします。
①深呼吸する
緊張しているときは、無意識に呼吸が浅くなっています。そのため、深呼吸しながら呼吸を正常に戻し、リラックス状態を作り出しましょう。深呼吸する際は、姿勢を正して鼻から吸った息を口から吐きます。この呼吸法を数回繰り返してください。
息を吸うと交感神経が働き、興奮状態になります。反対に、息を吐くと副交感神経が働きリラックス状態になります。ですので、息を吐く方を意識すれば、自然に緊張は和らいでいくでしょう。
②ポジティブな自己暗示をする
「うまく話せなかったらどうしよう」「受講者が退屈したらどうしよう」「自分に講師は務まるのだろうか」など、緊張しやすい方は、無意識にネガティブな自己暗示をかけているケースがほとんどです。このようなネガティブな思考を変えるには、「しっかり準備したから大丈夫」というようなポジティブな自己暗示をかけてみましょう。
講師が抱える不安のほとんどは、事実とは異なるものです。うまくいく方向へ思考を切り替えれば緊張は和らぎます。また、自分の「成功した姿」をイメージすれば、ネガティブな思考からポジティブな思考に変化していくでしょう。
③繰り返し練習する
「しっかり準備したから大丈夫」とポジティブな思考へ持っていくには、実際にしっかり準備するほかありません。繰り返し練習すれば、自信が蓄積されていきます。練習しないで本番に臨むのと、完璧にこなせるまで練習して本番に臨むのでは緊張の仕方が異なります。
本番を緊張せずに臨むためには、事前にどれだけ練習できたかによって異なります。自信を持って本番を迎えるためには、繰り返し練習して不安な部分を解消しておくことが重要です。特に詰まりそうな部分や浅い部分ほど練習を重ねましょう。
しかし、どれだけ練習しても緊張する方はいるでしょう。その場合は、ほかの方法を試してみたり、緊張はするものだと割り切ってみたりするのも良いかもしれません。
④研修直前に好きな音楽を聴く
緊張をほぐすためには、リラックスが重要です。リラックスする方法は人それぞれ自分にあった方法があるでしょう。なかでも音楽を聴くのは気軽にできて効果的です。社内研修が始まる前に好きな音楽を聴いてリラックスしましょう。
音楽を聴くと、脳内から「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。「セロトニン」には精神を安定させる働きがあり、落ち着いた曲は心拍数や血圧を下げるのに効果があると言われています。
研修中に言うべき内容を忘れたら
どんなに事前準備しても、予定通りに社内研修が進まなかったりすると、研修中に言うべき内容を忘れてしまったりする場合があります。そのような状況になっても慌てず対応するにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、万が一研修中に言うべき内容を忘れてしまったときの対処法をお伝えします。
台本を確認する
まずは、社内研修の台本を確認しましょう。台本には、言うべき内容や研修の進め方が記されています。そのため、研修中に言うべき内容を忘れても、台本を確認すれば思い出せるかもしれません。休憩時間や受講生のディスカッションなどのタイミングで台本を見直し、研修を進めていくうちに言うべき内容を伝えれば問題ありません。
受講者からの質問などで、コミュニケーションが活発になると台本通り研修が進まないケースは多々あります。台本を都度確認して軌道修正していけば、言うべき内容を忘れて研修を進行してしまうなどの状況にはなりません。しかし、台本に頼りすぎたり、台本通りに進めようと意識しすぎたりして、機械的な口調にならないように気をつけましょう。
資料を見直す
社内研修では、資料を使うケースが多いのではないでしょうか。資料は、講義の内容をわかりやすくするだけではなく、講師が話す内容を確認するためにも活用できます。話したい内容を忘れても研修資料を見れば思い出すケースも少なくありません。
資料を活用して再度大事な部分を解説したり、質問を受け付けたりしているうちに言うべき内容を思い出す場合もあるでしょう。臨機応変に対応しながら研修を進めるのも、講師には必要なスキルです。
忘れていても気にしない
「何か言い忘れがあるな」と気づいても、気にする必要なありません。なぜなら、忘れるというのはそれほど重要な内容ではなかったかもしれないからです。仮に重要な内容だったとしても、社内研修後に補足資料としてメールで受講者に一斉送信するなどの対処法があります。
完璧な社内研修を実施しようとする姿勢は評価に値します。しかし、完璧を求めるあまり自分を追いつめてしまうと、ストレスになるので気をつけましょう。
まとめ
この記事では、社内研修における講師の自己紹介のコツについて解説しました。受講者を惹きつける自己紹介のポイントもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。受講者を惹きつける自己紹介をしたい場合は、笑顔を意識したり、アイスブレイクを入れたりしてみてはどうでしょうか。
はじめての講師では誰もが緊張するものです。事前に台本を作り込んでおくことで、パニックになった際にも対処できることでしょう。慣れるまでは時間の許す限り何度も練習を行いましょう。
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