社内でテレアポ業務を行っていると、「なかなか担当者に繋がらない」「テレアポ業務はキツイ」と感じる方も多いかもしれません。
この記事では、会社の肝となる営業職の方がテレアポの成功確率を高めるためのコツなどを解説します。
テレアポの成功率の平均はどれぐらい?
先ず、テレアポの成功率を計画的に上げていくためには、一般的な成功率がどれくらいなのかを理解しておくことが大切です。
テレアポは「不在」「NG」で断わられることが大半であり、アポ獲得の成功率は0.3%~10%と一定の確率論が存在する業務であることは否めません。
この成功率を上げていくためには「いつ電話をするか」「どんな接点を持っている人に電話をかけるか」を考えることが必要です。
また、目標から逆算した行動目標を立てることも重要です。
例えば、一時間あたりで架電できるコール数は、BtoBの場合は20~30件、BtoCの場合は50~60件程度が目安だと言われているので、そこから「○○件コールするなら〇〇時間必要」というように具体的な行動数と時間数を計画して実務に落とし込むようにしましょう。
テレアポの成功確率
過去接触なし / 担当者名不明 | 0.1~0.5%程度 |
過去接触なし / 担当者名あり | 0.5~1%程度 |
過去接触あり企業やイベント来場、セミナー参加企業 | 5~10%程度 |
問い合わせがあった企業 | 10~20%程度 |
テレアポ初心者 | 0.1~0.5%程度 |
テレアポ中級者 | 0.5~2%程度 |
テレアポ上級者 | 2~10%程度 |
テレアポの成功率がなかなか上がらない理由
「アポ獲得率からの必要行動(時間)数も明確化しているのに、なかなか成功率が改善しない」こんなもどかしさを感じている方も多いと思います。では、なぜ成功率が改善しないのでしょうか。
それは、そもそもテレアポを歓迎してくれる方が少ないからです。
面識のない人からの電話には不信感を抱きやすいですし、仕事や作業が忙しい時に商品の話をされても関心を持ちづらいことが大半です。
勿論、ニーズとピッタリ合っていてテレアポの段階から前向きに検討してくれる方もいらっしゃいますが、その割合は一定数にとどまります。
だからこそ、テレアポの成功率を上げるには、諦めずにコツコツと地道な改善を図っていきながら、より多くのお客様とお話しできるように行動し続けることが大切なのです。
成功率を高めるテレアポ前の工夫
では、「面識がなく、お客様に商品・サービスの必要も特に待たれていない状態」でどんなテレアポをしたら良いのでしょうか。
答えは単純です。「今まさに待っていました!」と思ってもらえるような状況を作ってからテレアポをしたら良いのです。
つまり、掛ける相手の意識を「知らない・待っていない」から「知っている・待っていた」に変えてみるのです。
ここから、具体的に、相手の待ちの姿勢を作り出す方法をご紹介します。
①テレアポする前に資料を送る
リスト顧客へ事前にアプローチしておくことで、信頼関係構築のハードルを低くする方法です。
メールで資料を送ってから「先ほどメールで資料をお送りした○○です。△△様いらっしゃいますか?」と伝えると受付の方は「以前、話したことあるのかな」と思い、受付を突破しやすくなります。
そこから、担当者とお話する際に「先ほど資料をお送りした○○と申します。先ほどのメールはご覧いただけましたか?」という流れで、共通認識を用意した状態で話を始めましょう。
また、相手のメールアドレスを持っていない場合は、アプローチしたい企業に郵送やFAXで資料を送ることも可能です。
資料送付などのコストが掛かる等のデメリットもありますが、メールよりもアプローチ先は広がります。
その他、お問い合わせフォームに自社のサービス説明の概要を送信する。といった手段もあります。
このような、テレアポ前に自社のことを知ってもらえているか、サービス概要について共通の認識を持っているか否かがテレアポにおいて非常に重要な要素となります。
②クリックしてくれた人に電話する
これはメール配信システムを使っている方にお勧めしたい方法です。
メール配信のシステム上にURLをクリックした相手が分かる仕組みがあるのでこの仕組みを活用しましょう。
「メールを送る」はこちら側で勝手に”送りつけた”状態ですが、「URLをクリックした」ということは相手が営業マンのメール内容で興味を持ってくれたということです。
このような、相手のリアクションを引き出してから行うアプローチはアポイント獲得率を引き上げてくれます。
テレアポに最適なタイミングはいつ?
テレアポは時間帯やタイミングによっても成功率が変わってきます。
業界によって繁忙期や忙しい時間には違いがあり、忙しい時間帯にばかり架電していても話を聞いてもらえることは難しいですし、担当者がいない時間帯に電話をかけても、つながる可能性は非常に低いのです。
例えば、一般企業であれば「朝イチは会議が多いため不在だが、昼過ぎだと話ができる可能性が高くなる」や、飲食店であれば「お昼や夜は顧客の来店が多く、なかなか担当者に繋がらないが、顧客が少ない14時から仕込みが始まる16時くらいに掛けると話しやすい」等です。
つまり、テレアポ前に相手の状況を把握することが大切です。
また、時間帯だけでなく架電の曜日にも、工夫が必要です。
土日休みの企業であれば土日はもちろん、週明けで忙しい月曜日と週末で忙しい金曜日を外して、火・水・木に架電を集中させることが基本とされています。
また、架電した際に担当者が不在だった場合も、責任者や担当者の名前を確認しておきましょう。
次回、電話をする際に、「〇〇様はお手すきでしょうか」と担当者を名指しすると、電話を受けた方に「〇〇さんがいつも話をしている人だ」と取引先である様な印象を持たせることができます。
これもテレアポの最初の関門である受付を突破する際には有効なテクニックだと言えるでしょう。
成功率を高めるテレアポトークテクニック
ここからは、テレアポの成功確率を高めるためのトークテクニックを4つご紹介します。
①要点だけを伝える
テレアポ時は、可能な限り要点だけ伝えるようにしましょう。
特に、初心者の方は電話口での間を恐れるあまりに、商品の強みや特徴を強く話してしまいがちですが、そうすると、相手は売り込まれているように感じて身構えてしまいます。
その代わり、「商品やサービスを使って顧客の課題をどのように解決できるのか」を伝えられると、相手は興味を持ち、さらに詳しく知りたいと思うようになります。相手の興味の度合いを適切にコントロールすることが、テレアポの担当者には求められるのです。
但し、伝える情報が少なすぎると、顧客に興味を持たれなくなってしまうので注意が必要です。
また、不自然な明るい話し方は更に売り込み感を増し、相手に不信感を抱かせてしまうので、なるべく落ち着いたトーンで、ゆっくり話すことを心掛けましょう。
②相手目線に立つ
テレアポ時は相手がこちらのことを知らない状況の方が圧倒的に多いため、関心がない状態から話を聞いてもらうには、相手を主語にして自分事として捉えてもらうことが大切です。
相手目線で話をする際は、なるべく「御社」など相手を主語とする言葉を使い、「弊社」や「当社」といった自分を主語にする言葉はできるだけ避けましょう。
③無理に売り込まない
テレアポ時は、無理に売り込まない意識も持ちましょう。
相手にニーズが無い場合、いくら売り込んでも成約に結びつく確率は低く、時間を無駄にしてしまうだけでなく相手に悪い印象を持たれる可能性があります。
「興味がない」と言われた場合は一旦引き、資料やメールだけ送付して後々思い出してくれた時に連絡してもらいやすい状況を作っておきましょう。
あくまでも、自分の商品・サービスを売り込むのではなく、相手の悩みを聞いて寄り添い、ニーズを満たそうとするスタンスが大切です。
④導入事例を紹介する
テレアポ時に、他社の導入事例を紹介することも効果的です。
冒頭部分あるいはクロージング部分で導入事例を伝えることで、「他社が使っているなら良い商品なのかも」「知らなかったらまずいかも」等と思ってもらえる確率が高まり、テレアポ成功率の向上が期待できます。
また、他社事例の実績があることで、信頼度を高めることもできます。
加えて、サービス導入後の売上効果やコスト削減効果などを説明すると、より魅力的に伝えられます。
例えば、「実は、御社と同じ業界の〇〇社でも弊社サービスを利用していだだいておりまして、導入後に売上が2倍になった事例もございます」等です。
勿論、導入事例を伝えるには、日頃のデータの蓄積やリスト企業の調査が欠かせません。テレアポ前に事前準備をしておくことで、より質の高いトークが可能になります。
⑤クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける
テレアポの成功確率を高めるためには、電話の中でできるだけ断られないように誘導していくことが重要です。
そのため、初めは「はい」か「いいえ」だけで答えられるようなクローズドクエスチョンを中心に話を展開すると良いでしょう。これは、相手に他の選択肢を選ばせないためのテクニックです。
例えば、アポイントを取得したい時に、「今週の火曜日と水曜日のどちらがご都合よろしいですか」という質問の仕方をすることで、選択肢をどちらかに絞らせることができます。
逆に、相手が自社の課題などを話し始めたときは、オープンクエスチョンが必要になります。この場合は、「どうお考えですか」「どんな課題をお抱えですか」といったようなフレーズを用いることで、より一層、心を開いてもらいやすくなります。
成功率を高めるトークスクリプトの作成方法
トークスクリプトがあると余裕を持った状態で会話ができるため、アポ率の向上を期待できますが、画一的なトークスクリプトを全ての相手に使用していると、架電が機械的になってしまい、相手のニーズにマッチした提案が難しくなります。
そのため、テレアポの成功確率を高めるには、あらゆる顧客を想定したトークスクリプトを作成することが大切です。
例えば、BtoBであれば業界の動向に合わせたトピックスや小ネタを挟みながら、相手のニーズを汲み取ったトークスクリプトを作ると、興味を持ってくれる確率を高めることができます。
尚、トークスクリプトの見直しを行う際は、ロールプレイング形式で行うと良いでしょう。
客観的な意見も取り入れながらロールプレイングを行ってトーク内容を少しずつ改善していくだけで、相手の反応がガラッと変わることもあります。
まとめ
テレアポの成功確率は1%前後程度であり、基本的に断られることが前提なので、成功率を飛躍的に高めることはあまり期待できないかもしれません。
しかし、アプローチの仕方を変えたり、トーク内容を見直したりすることで、数%の向上を見込むことは可能です。そのため、「成功率を高めるにはどうしたら良いのか」という観点で工夫・改善しながら目標意識を持って、諦めずに行動し続けることが大切なのです。
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