【人事担当者向け】入社手続きの手順まとめ

入社手続きの手順とマニュアル

【人事担当者向け】入社手続きの手順まとめ

人事担当者は新入社員がスムーズに入社できるよう、入社手続きを正確且つ迅速に行い、受け入れ体制を整える必要があります。そこで今回は、人事担当者が行う社員の入社手続きの流れや、手続きに必要な書類、注意すべきポイントなどをまとめました。

会社として入社した社員の情報を正しく管理することは大切です。大事な社員の個人情報を雑に扱うことは、会社としてのリスクにも繋がりますので、入社手続きを間違えないよう、以下の手順に沿って進めていきましょう。

入社手続きを行う際の心構え

①入社手続き時の重要性を理解する

まずは書類を扱う前に、その心構えから学びましょう。

入社書類には、本人及び家族の大切な個人情報が含まれています。新入社員とその家族を守るためにも、その情報を漏らさない事は当然のことながら、その情報を正しく管理できるように、社員の情報を預かっているのだという意識が必要です。

②書類管理

どの書類をどこに保管するのか等、書類ごとの管理方法をしっかり決めましょう。

書類の管理方法が明確になっていると、一度しまった書類が後日必要になった時に速やかに出して迅速に作業が行えるようになります。

入社手続きに必要な書類

①会社から社員へ送付する書類

・内定通知書、入社承諾書

内定の通知と入社の意志を確認するために発送します。

・雇用契約書

会社控えと本人控えの合計2部が必要です。

雇用契約書には労働基準法に基づいた内容を必ず記載しなければならないため、記載内容に不備がないかどうかの確認をしましょう。

②社員から回収する書類

・入社承諾書

事前に会社から発送しているので、入社前に新入社員から受け取りましょう。

・雇用契約書

会社から渡した雇用契約書に記名、捺印をしてもらい、回収します。

・個人情報保護法に基づく誓約書

今後、業務を通して大事な個人情報を預かるにあたり、その個人情報を漏えいしない旨の契約書が必要です。

・雇用保険被保険者証 

職業安定所に提出する雇用保険の加入手続きに必要な書類です。 

中途採用社員は、前職時に取得した雇用保険番号を継続して使用するので、雇用保険被保険者証の提出を求めましょう。

新規申請が必要な社員の場合は、雇用保険被保険者証はないので新規加入の手続きをします。新卒者の場合は不要です。

・年金手帳

厚生年金の加入手続きに必要な書類です。

年金手帳の写しを提出するように求めましょう。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

所得税や住民税、社会保険の加入手続きに必要な書類です。

毎月の給与から徴収される所得税を正しく申告するために、配偶者や扶養家族がいるかを確認するために必要となります。

なお、扶養控除等申告書は、扶養家族の有無にかかわらず、全員に提出してもらわなければならない書類です。

・健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者資格取得等届

配偶者や子供が扶養家族として健康保険に加入する際に必要な書類です。

採用する社員に配偶者や子どもなどの家族がいる場合のみ必要になるので、扶養する家族がいない場合は提出を求める必要はありません。

・源泉徴収票

年末調整に必要な書類です。

雇用保険被保険者証と同じく、退職時に前職場から交付されるものなので、年内に採用する場合は提出してもらいましょう。

年を越してから入社する場合は不要です。

・住民票

新入社員の履歴書等の住所と一致しているかを確認しましょう。

後の様々な手続きに必要な書類ですので、会社で保管する必要があります。

・マイナンバー

雇用保険の加入手続きや健康保険、厚生年金の加入手続きにはマイナンバーを記載しなければなりませんので、マイナンバーがわかる通知カードの写しを提出してもらい、番号の確認を行いましょう。

・身元保証書

入社後に会社に大きな損害を与えてしまった際、本人が損害に対して賠償出来なかった場合に、保証人が一緒に賠償をすることを約束するための保証書です。

・給与振込先申請書

給与支払時の振込先口座を把握するために必要な書類です。

会社ごとに用意されている届出書を渡し、必要事項を記入したうえで提出してもらいましょう。

・通勤手当支給申請書

自宅から会社まで公共交通機関を使用するのか、自家用車を使用するのかによって手続きが異なりますが、通勤手当の根拠となる書類です。

通勤手当支給申請書を受け取ったら、念のため、会社の規定に沿った正規ルートでの通勤かどうかを確認しましょう。

・住宅手当支給申請書

住宅手当がある場合に必要な書類です。

社員の自宅が、持ち家なのか賃貸なのかを証明し、手当を支給する根拠となる書類なので、持ち家の場合は固定資産税の支払い証明書等、賃貸の場合は不動産会社との契約書の写しを提出してもらいましょう。

・資格免許証

学歴に記載された資格が正しいかどうかの確認と、業務に従事する為の知識や能力があるのかの証明するために必要な書類です。

・健康診断書

労働安全衛生法の定めによって、会社は入社前の新入社員に健康診断を受けてもらい、その結果を提出してもらう必要があります。

なお、前職で行った健康診断が3ヶ月以内のものであれば提出可能なので、その場合は新たに受診してもらう必要はありません。

入社手続きの手順

下記の手続き、書類はとても重要なものなので、漏れのないようにチェックをしましょう。

また、入社手続きに関する情報は全て個人情報になるので、正確な管理と迅速な処理が出来るように、整理整頓された状態で管理することが大切です。

①入社手続きに必要な書類を提出してもらう

入社手続きを行うには、新入社員から上記の書類を提出してもらう必要があります。

どんな書類が必要になるかはケースによって異なりますので、あらかじめリストにして入社予定の方に渡しておきましょう。

②労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を作成する

労働者名簿・賃金台帳・出勤簿は法定三帳簿と呼ばれ、労働基準法および同法に基づいたガイドラインによって作成・保管が義務づけられている書類です。

法定三帳簿は、人事異動を検討する際に用いられたり、適正な賃金を支払っているかどうかをチェックしたりするために使用する大切な書類ですので、新入社員を採用したら忘れずに作成しておきましょう。

それぞれの法定帳簿の特徴は下記の通りです。

  • 労働者名簿:社員の氏名や年齢、住所などの個人情報を記載した名簿
  • 賃金台帳:賃金計算に必要な事項、賃金の額、賃金計算期間など、賃金計算にまつわる項目を記載した台帳
  • 出勤簿:社員の出勤日や労働日数、労働時間数などを記した帳簿

なお、これらの帳簿は3年間の保存が義務づけられており、違反するとそれぞれ30万円以下の罰金が科せられる可能性があるので注意しましょう。

③雇用保険の加入手続きを行う

管轄のハローワーク(職業安定所)に「雇用保険被保険者資格取得届」を提出し、雇用保険の加入手続きを行います。

提出期限は、雇用した日の翌月10日までなので、新入社員を採用したら速やかに手続きを開始しましょう。

④社会保険の加入手続きを行う

常時5人以上の社員を使用する事業所(農林漁業、サービス業など一部除く)、または常時社員を使用する法人は、法律によって社会保険(健康保険と厚生年金)への加入を義務付けられています。

上記の条件に該当する場合は、年金事務所または健康保険組合、厚生年金基金に対し、「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。

「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」は、社員の健康保険取得を行うための書類なので、社員全員分の加入手続き、提出が必要です。

また、配偶者や子どもなど扶養義務がある家族がいる場合のみ、「健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者資格取得等届」を提出します。

提出期限は雇用開始日から5日以内という期限があるので、雇用保険と同じく、新入社員を採用したら速やかに手続きを開始しましょう。

⑤給与・住民税の申告を行う

社員の住民税を給与から納税(特別徴収)する場合は、「特別徴収への切替申出書」の申告手続き、提出を行います。

書類は住民税の納付先の市町村役場に提出しましょう。

入社手続きで押さえておくべきポイント

入社手続きを行うにあたり、特に注意しておきたいのが各種書類の提出期限です。

前述の通り、雇用保険や社会保険の手続きには期限が設けられているので、雇用を開始したら速やかに手続きを始める必要があります。

もしも、手続きの期限を過ぎてしまった場合は、雇用保険では雇用開始日から手続き日までの全期間分の賃金台帳と出勤簿を提出すると共に、遅延理由書を作成、提出する必要があります。

また、社会保険の場合も、本来の提出期限から60日以上経ってから手続きする場合は、賃金台帳や出勤簿の提出が必要です。

どちらも、手続きが遅れると余計な手間がかかるうえ、社員にも迷惑が掛かってしまうので、遅滞なく手続きを進められるよう心がけましょう。

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