【企業研修Vol.16】リーダーシップ研修とは?学ぶ目的や研修によるメリットなどを解説

数ある研修のなかでも、組織のリーダーとなる人材を育成する「リーダーシップ研修」に近年注目が集まっています。人手不足によって十分な人員が確保できない状況も増えているため、高い能力を持つリーダーの存在は改めて重要視されています。

現状の課題解決や将来の問題に備える目的で、リーダーシップ研修を実施する企業も多いです。本記事ではリーダーシップ研修の基本と、目的やメリットなどを解説します。

リーダーシップ研修とは何か?

リーダーシップ研修を導入する際には、その基本を理解することが先決です。リーダーシップ研修の意味や内容が不明瞭だと、具体的な研修計画の立案が難しくなるでしょう。以下では、リーダーシップ研修の基本的概要を解説します。

リーダーの役割を担う人材を育てるための研修

リーダーシップ研修とは、その名称通りリーダーの役割を担える人材を育てるための研修です。組織運営にあたって、周囲を引っ張っていけるリーダーの能力は重要視されます。ときにはリーダーとなる人物の能力次第で、組織が出す成果が大きく変わることもあるでしょう。

そのためリーダーシップ研修を実施して、リーダーに必要な知識・技術を学ぶ本格的な機会を設けている企業も多いです。現状の組織に課題があり、それを解決できる要素が不足していると感じている場合には、リーダーシップ研修で人を育てることを優先する方法も考えられます。

リーダーシップ研修の主な内容

リーダーシップ研修では、リーダーとして活躍するために必要なさまざまなスキル習得を目指します。どのような人間がリーダーにふさわしいのかを把握し、その条件に近づいていくことが、リーダーシップ研修の基本的な内容になるでしょう。具体的には、以下の内容をリーダーシップ研修で学びます。

  • リーダーシップの概要
  • リーダーとしてのコミュニケーション
  • 組織を導く力
  • マネジメント力
  • チームビルディングの基本
  • 質問力や提案力

など、そのほか、企業ごとの目標やリーダーに求める条件に合わせて、学習内容が追加されます。自社のニーズに合ったカリキュラムを選定し、職場に最適なリーダーを育成することがポイントです。

リーダーシップ研修の必要性

リーダーシップ研修は、多くの企業で必要となる学習過程になると考えられます。昨今はテクノロジーの発展速度が上がっていて、時代が大きく変化しています。DXなどによるデジタル化をはじめとした変化は、今後も多くの企業で必要となるでしょう。

そんな現代社会の状況を把握し、適切な判断を下して行動していくには、リーダーシップを学んだ人材が必要です。組織の順応力を高めて時代に合わせて変化していける環境をつくるには、まずトップに立つリーダーの能力を高めることが求められるでしょう。

そういった時代背景に影響され、リーダーシップ研修の需要は高まっていくと考えられます。

リーダーシップ研修の実施率

リーダーシップ研修は、多くの企業で実施されています。HR総研の「人材育成(テーマ別研修)に関する調査」によると、2021年度の「テーマ別研修の実施率」において、リーダーシップ研修は上から5番目に位置しています。

また、同じくHR総研の「人材育成「管理職研修」に関する調査報告」では、管理職研修で実施されている内容で2番目に多いのが「リーダーシップ」となっています。今後取り入れたい研修内容でも上位に入っていることから、リーダーシップ研修に対する関心が高まっていると考えられます。

参考:人材育成(テーマ別研修)に関する調査:HR総研

人材育成「管理職研修」に関する調査報告:HR総研

リーダーシップ研修の主な目的とは?

リーダーシップ研修を実施する際には、主な目的を把握することも大切です。何のためにリーダーシップ研修が必要なのか把握して、具体的な目標を立てることが成果につながります。以下では、リーダーシップ研修の実施時に考えられる目的を解説します。

リーダーとしての自覚を芽生えさせる

リーダーシップ研修では、受講者にリーダーとしての自覚を芽生えさせるのが1つの目的になります。「リーダーとは何なのか」「どのような人材を目指すべきなのか」といった基本から出発し、「自分がリーダーシップを取って組織を引っ張っていく」という自覚を持たせるのが、リーダーシップ研修の役割になります。

どれだけ高い能力があっても、リーダーとしての自覚がなければ、リーダーシップを発揮するのは難しいです。リーダーシップ研修は、そういった従業員の意識改革としても有効活用されます。

部下の管理や育成方法を学ぶ

リーダーとして動く際には、部下となる人材の管理や育成も仕事になります。そこでリーダーシップ研修のカリキュラムに部下の管理・育成方法を取り入れて、リーダーとして周囲を成長させる能力を育むことも目的になり得ます。リーダーシップのある人の指導は、多くの従業員の心に響き、実際の行動を起こすきっかけになります。

逆にリーダーとしての素質が疑われる人材から指導を受けても、真面目に取り合ってくれない可能性があるでしょう。部下の管理・育成をスムーズに行うためにも、リーダーシップ研修で能力を高めておくことが重要です。

意思決定に関する能力を育む

リーダーは、業務におけるさまざまなシーンで意思決定を行います。そのための責任感や決断力を育むのも、リーダーシップ研修の目的の1つです。目まぐるしく状況が変化していく現代のビジネスシーンにおいて、意思決定のスピードは成果に大きく影響します。

リーダーが迷って意思決定の判断が遅れると、ビジネスチャンスを逃す可能性もあるでしょう。そういった失敗は周囲からの信頼を損なう結果にもなりかねないため、リーダーシップ研修を通してスキルアップに励むのがポイントです。

目標の設定や計画を立案する能力を得る

リーダーシップ研修では、目標の設定や計画を立案する能力を得るのも目的になります。リーダーは組織に具体的な目標を与えて、それを達成するための計画を立てるのも仕事の1つです。しかし、分析力や判断力が備わっていないと、成果につながる目標設定や計画立案は難しくなると予想されます。

リーダーシップ研修によって目標設定と計画立案に関する能力を育み、組織に具体的な方向性を与えるのもリーダーの役割です。

組織やチームを牽引する能力を向上させる

リーダーシップ研修では、組織やチームを牽引する能力の育成にも力を入れます。リーダーとなる人は、組織やチームといった全体を俯瞰して観察し、客観的に評価したうえで必要な業務を割り当てます。その際にはリーダー自らが行動し、周囲にやるべきことや業務の重要性を示すことも大切です。

どうすれば周囲がついてきてくれるのか、どのような方法で牽引するのが効率的なのかを知るために、リーダーシップ研修を実施するケースも考えられます。

リーダーシップを研修で学ぶメリットとは?

リーダーシップに関する知識・技術を研修で学ぶことには、多くのメリットがあります。研修という形式ならではのメリットを活かすことで、リーダーシップのある人材をスムーズに確保できるでしょう。以下では、リーダーシップ研修の主なメリットを解説します。

リーダーの素質がある人材を効率よく育てられる

リーダーシップ研修は、リーダーの素質がある人材を効率よく育てられるメリットがあります。専門のカリキュラムを通して体系的に学べるため、基礎から応用までのスキルを網羅できます。リーダーとなる人材には多くの知識・技術が必要になるため、まとめて複数のスキルを学べる研修はうってつけとなるでしょう。

また、研修は同時に複数人が受講できるため、社内に多くのリーダー候補を育成するきっかけにもなります。

リーダーシップに関する専門知識・技術をスムーズに習得できる

リーダーシップに関する専門知識・技術をスムーズに習得できる点も、研修ならではのメリットです。先の解説通り、リーダーに求められるスキル・能力は多数あります。それらを1つ1つじっくり学ぶことも大切ですが、あまりに時間がかかると会社への貢献が遅れてしまいます。

結果的にリーダーの必要性や能力が疑問視され、効率的な組織運営に支障が出る可能性もあるでしょう。だからこそリーダーシップ研修を取り入れて、スムーズかつスピーディな専門知識・技術の習得が重要となります。

リーダーに最適な人材を絞り込める

リーダーシップ研修は、リーダーに最適な人材を絞り込むための手段としても有効です。リーダーに最適な人材を見抜くのは、決して簡単ではありません。手塩にかけて育てた人材が、リーダーという重荷に耐えかねて離職するといったケースも多いです。

そこでリーダーシップ研修を実施し、複数人をリーダー候補として扱うことで、成長過程を見ながら最適な人材を絞る方法がおすすめです。実際の学習結果を判断材料とすることで、リーダーとして活躍できる可能性の高い人を抜擢できるでしょう。

自社のニーズに合ったカリキュラムで学べる

リーダーシップ研修は、基本的に自社のニーズに合ったかたちでカリキュラムを構築できます。「〇〇のスキルを学ばせたい」「〇〇の能力を優先して伸ばしたい」といった計画を軸にして、専門のカリキュラムを施行することも可能です。そういった柔軟性のおかげで、自社に必要なリーダーを素早く確保できます。

リーダーシップ研修を実施する際には、まず自社のニーズを把握したうえで、カリキュラムの選定に移るとよいでしょう。

成果の確認がしやすい

リーダーシップ研修は、成果の確認がしやすい点もメリットです。研修前と研修後の受講者の対応力やスキルの習得率、実際の業務における活躍などを比較することで、研修にどの程度の成果があったのかを確認できます。成果があるのならそのままリーダーシップを発揮してもらい、さらなる成長を促すことが考えられます。

逆に成果が確認できない・微々たるものだった場合には、研修内容や対象者を見直して、改善を進めることが重要となります。

リーダーシップ研修を行う際のポイント

リーダーシップ研修を行う際には、いくつかのポイントがあります。何を重視すべきなのか、事前にどんなことをするべきなのかを確認し、リーダーシップ研修の効率を上げるのも重要です。以下では、リーダーシップ研修の実施時にチェックすべきポイントを解説します。

自社が想定するリーダー像を共有する

リーダーシップ研修の実施時には、自社が想定するリーダー像を従業員と共有します。会社が求めるリーダー像と、従業員がイメージするリーダーの姿が異なっていると、研修の目的にズレが生じます。結果的に研修の内容を活かせず、思った通りの成果を引き出せない可能性が高まるでしょう。

まずは会社側がどんなリーダーを求めているのかを、従業員に理解してもらうのがポイントです。

受講者のモチベーション管理を行う

受講者のモチベーションを管理するのも、リーダーシップ研修を成功させるポイントです。リーダーになる意思が弱い人や、研修に対して苦手意識のある人は、自然と学習モチベーションが低下します。どれだけ最適なカリキュラムを組んでも、受講する側のやる気が足りないと、リーダーシップのある人材の確保は難しいでしょう。

リーダーシップ研修の実施時には定期的に受講者にヒアリングを行い、モチベーションをチェックするのもポイントです。

リーダーを支える人材の育成にも目を向ける

リーダーシップ研修を行う際には、同時にリーダーを支える人材の育成も進めておくのがポイントです。リーダーシップを取って組織を成長させるには、それについていける従業員が欠かせません。リーダーの育成ばかりに気を取られ、ほかの従業員への育成が蔑ろになってしまうと、組織として機能しなくなる可能性があるでしょう。

リーダーシップ研修とは別に、自社の従業員に必要な研修を並行して行うのもコツになります。

研修の実績が豊富な外部サービスに委託する

リーダーシップ研修は、専門性の高い知識が必要になることも多いです。そのため研修を内製で行うのは、難しいと考えられるでしょう。そのためリーダーシップ研修の実施時には、研修実績が豊富な外部サービスへの委託がおすすめです。

企業研修をサポートしてきた実績のあるサービスに依頼すれば、最適なリーダーシップ研修のプランを計画してもらえます。リーダーシップ研修以外の研修も依頼できるため、専門サービスの積極的な活用もポイントです。

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この機会にリーダーシップ研修を、「キューズフル」で実施することをぜひご検討ください。

まとめ

リーダーシップ研修は組織を引っ張るリーダーを育てる手段として、多くの企業から注目されています。変化の激しい現代のビジネスにおいて、決断力や判断力に長けたリーダーの存在は組織に不可欠です。本格的なリーダーの育成に着手するのなら、リーダーシップ研修の実施を考えてみてはいかがでしょうか。

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