【企業研修Vol.17】ロジカルシンキング研修とは?研修の主な目的や成功させる方法を解説

ビジネスにおいて論理的な思考力は、事業で成果を出すための重要な能力となります。自社の従業員が自発的に論理的な思考をめぐらせて、課題解決やアイデア出しに動ける環境をつくれれば、さまざまなメリットを得られるでしょう。

本記事では論理的な思考力を学ぶための手段である「ロジカルシンキング研修」について、その基本と成功のポイントなどを解説します。

ロジカルシンキング研修とは何か?

ロジカルシンキング研修は、多くの企業にとってメリットが期待できる研修です。しかし、詳細を把握しきれていないと、研修成果を引き出せない可能性もあります。以下では、ロジカルシンキング研修の基本から解説します。

論理的な思考力を身につけるための研修

ロジカルシンキング研修とは、論理的な思考力を身につけるための研修を意味します。「ロジカルシンキング」には「論理的思考」や「論理的な考え方」といった意味があり、その流れや方法を学ぶのが研修の基本です。

デジタル化などによって従来のビジネススタイルが変化している昨今、より論理的に思考する能力が必要とされています。そこで専門的な知識を体系的に身につけるために、ロジカルシンキング研修を実施する企業が増えているのです。従業員の成長にもつながることから、ロジカルシンキングを軸に育成を進めるケースも多いです。

ロジカルシンキング研修で学べる内容

ロジカルシンキング研修では、論理的な思考方法から便利なフレームワークまで、さまざまなことを学べます。幅広い分野の学習を通してスキルを育めるのは、ロジカルシンキング研修の特徴だと言えるでしょう。例えば研修のなかでは、以下の内容を学ぶ機会があります。

・Mutually Exclusive Collectively Exhaustive(MECE)

→相手を納得させる情報を「漏れなく」「重複なく」洗い出す手法

・帰納法

→具体的な事例を挙げて根拠を付与する手法

・演繹法

→前提を積み重ねて根拠を付与する手法

・ピラミッドストラクチャー

→結論を頂点にしてその根拠をピラミッド状に図式化する手法

上記のような具体的な内容を学ぶことで、論理的な思考方法を身につけるきっかけをつかめます。

ロジカルシンキング研修の主な対象者

ロジカルシンキング研修は、幅広い従業員が対象となります。新人から中堅の従業員のほか、管理職として働く人材にも有効な研修方法として認知されています。対象者ごとに必要なスキル・能力は異なるため、それぞれに合わせたカリキュラムの選定が求められます。

例えば新人に対しては、コミュニケーションの一環として学習させるケースがあります。ロジカルシンキング研修だけを実施することは少なく、多くの場合新人研修のなかに含むかたちになるでしょう。中堅の従業員の場合には、業務で応用できるレベルの思考力が求められます。

アイデアを出す方法や、作業工程を考案するコツなど、実際の仕事で活かすためのスキル習得が軸になるでしょう。管理職に対しての研修では、意思決定や部下への指示・育成を論理的に行うためのスキル習得が目的になり得ます。素早く思考して決断できる能力を身につけることで、組織を牽引する人材として成長できるでしょう。

ロジカルシンキング研修を実施する主な目的とは?

ロジカルシンキング研修を行う場合、まずは目的を決めることが大切です。目的は研修の方向性や具体的な内容を決めるものであるため、最初に明確化する必要があります。以下では、ロジカルシンキング研修を実施する際の目的について解説します。

思考力と考えを整理するコツを学ぶ

ロジカルシンキング研修は、論理的に思考する方法や、自分の考えを整理するコツを学ぶのが目的になります。思考とは目に見えないものであるため、ただ考え続けるだけでは具体的なアクションに移すのが難しくなります。そこで思考を整理してアウトプットする方法を学び、具体的な行動を起こしていく能力を研修で育みます。

思考を整理する際には、多くの情報を自分なりにまとめて理解する技術も必要です。昨今のビジネスで使用されるデータ量は膨大であるため、個人の思考ですべて管理するのは不可能です。そこでITツールなどを活用し、自分の思考を手助けする方法を学ぶのも研修目的の一環になります。

伝達力を向上させる

自分が考えていることを相手にわかりやすく伝える伝達力の向上も、研修の目的になります。論理的かつ根拠を示しながら会話ができれば、相手に自分の意思をスムーズに伝えられます。それは商談の席における意思疎通に役立ったり、社内での素早い連携につながったりと、多くのメリットがあります。

思考したものを外部に伝える能力の向上も、研修で学ぶべき内容に含まれます。

意思決定のスピードと正確性を高める

意思決定におけるスピードの向上と正確性を確保するための思考力も、研修によって身につけられます。ビジネスシーンではあらゆる場面において、スピーディかつ正確な意思決定が求められます。特に管理職や経営に関わるポジションにいる人は、毎日のように重大な決断を迫られることもあるでしょう。

そんなときにロジカルシンキングが身についていれば、論理的かつ根拠のある思考を軸にして素早い意思決定が可能となります。仮に失敗しても論理的な思考が地盤にあれば、「なぜ失敗したのか」をすぐに分析して次に活かせます。

自発的に行動できる主体性を身につける

研修を通してロジカルシンキングを学ぶことは、自発的に行動できる主体性を得るきっかけにもなります。論理的に思考して物事を捉える習慣が身につけば、自分から率先して考えることが可能です。考えた結果は次の行動につながるため、自発的なアクションを通して事業の成果をつかめる人材として成長できるでしょう。

自分から積極的に動きたいと考えていても、自分の思考に自信がないとなかなか実行に移すのが難しいです。そこでロジカルシンキング研修を受講し、論理的な思考力を身につけて自分の考えと行動に自信をつけるのも目的になり得ます。

周囲を巻き込むコミュニケーション力を学ぶ

周囲を巻き込むコミュニケーション力を育てることも、研修における目的の1つです。論理的な思考で生み出したアイデアや事業計画は、周囲にも納得してもらえることが多いです。しかし、周囲と上手くコミュニケーションが取れないと、アイデアの魅力を伝えられず、せっかくの計画が流れてしまう可能性もあります。

そこで周囲を巻き込める説得力を付与したコミュニケーション能力を学び、論理的な思考と合わせて事業に応用することも目的になります。

ロジカルシンキング研修を行うメリットとは?

ロジカルシンキング研修を実施することには、企業と従業員にとってさまざまなメリットがあります。どんなメリットにつながるのかを把握し、今後の研修計画の軸にすることも1つの方法です。以下では、ロジカルシンキング研修を行う主なメリットを解説します。

課題の解決につながる方法をスムーズに導き出せる

ロジカルシンキング研修は、課題解決につながる方法をスムーズに導き出せる思考力を身につけるきっかけとなります。事業には常に多くの課題があり、いかに素早く発見して解決できるかが重要です。ロジカルシンキング研修はそういったスキルを習得し、事業に活かせる点がメリットになります。

事業における課題がなかなか解決できない場合や、問題を先送りにする習慣が職場に根付いているときなどには、ロジカルシンキング研修で根本的な原因を取り除くことも考えられます。

アイデアを創出する能力が身につく

研修によって論理的な思考力を育めれば、アイデアを創出する能力を伸ばすことも可能です。事業の課題解決や改善につながるアイデアの創出は、企業に大きなメリットを与えます。従業員も自分に自信を持つきっかけになり、社内評価を高めることにつながります。

アイデアはあらゆる事業に必要な核となるため、論理的な思考から生み出せる人材は重宝されるでしょう。

アイデアを実現する過程を考案できるようになる

ロジカルシンキング研修はアイデアの創出だけでなく、それを実現するための過程を考案する能力も高められます。アイデアは頭のなかに置いてあるだけでは、具体的な成果にはつながりません。それをアウトプットして現実でかたちにする過程までを考えるのが、事業では必要な作業になります。

アイデアの創出から実現までの方法を丸ごとスキルとして得られる点も、ロジカルシンキング研修のメリットです。

問題の原因を特定するスキルを得られる

論理的な思考は、問題の原因を特定するためにも役立ちます。問題の発生から逆算して考えて、原因を素早く特定できれば、再発を防止するなどの対策が立てられます。また、同種の問題が発生しないように、未然に防ぐ方法を考案することも可能でしょう。

事業の壁となる問題の原因特定と防止を行える点もまた、ロジカルシンキング研修を学ぶメリットになります。

説得力のある提案が行えるようになる

論理的な思考には、説得力が付随します。そのためロジカルシンキングを学ぶことで、普段から説得力のある提案を行う能力が身につきます。どれだけ多くのアイデアを生み出し、事業計画を立案できても、説得力がないと提案時に相手を納得させられません。

自分の意見をスムーズに理解してもらうためにも、論理的な思考を通して説得力のある提案ができるスキルの獲得が望まれます。

ロジカルシンキング研修を成功させるポイントについて

ロジカルシンキング研修を成功させるには、いくつかのポイントがあります。研修を開始する前にポイントを整理し、準備を進めておくのがおすすめです。以下では、ロジカルシンキング研修を成功させるポイントを解説します。

ロジカルシンキングを身につける必要性を認知させる

ロジカルシンキングの意味や必要性について解説し、従業員に認知させる過程が重要です。ロジカルシンキングという言葉を聞いたことがあっても、具体的な意味までは知らないという人は多いです。事業で有効利用する方法まで把握している人はさらに少ないと考えられるため、研修前に詳細を解説しておく必要があるでしょう。

従業員が納得して研修を受けられるように、基本的な部分から情報を共有し、必要に応じて質問や疑問に回答しましょう。

ある程度の事前学習を勧める

ロジカルシンキングは専門性の高い分野であるため、事前にある程度学習を進めておくのが望ましいです。そのため研修の対象者となった従業員には、事前学習を勧めるのもポイントです。ただ勉強を勧めるだけでなく、具体的な学習方法や教材を指示するなど、積極的なフォローを行うのが重要となります。

受講者のレベルに合わせてロジカルシンキング研修の内容を調整する

ロジカルシンキング研修は、受講する従業員のレベルに合わせて内容を調整するのもポイントです。すでに知識を持っている受講生が多い場合、基礎から学習を始めるのは時間の無駄になる可能性があります。

逆に基礎から学ぶべき受講者に対して、専門的な部分に力を入れたカリキュラムを提供すると、研修についていけないケースが懸念されます。受講者のレベルを把握したうえで、ちょうどよい塩梅でカリキュラムを組むのがコツです。

ケーススタディを積極的に取り入れる

研修の際には、ケーススタディを積極的に取り入れるのも1つの方法です。ケーススタディとは、過去の事例を参考に分析したり、対処法を学習したりする方法です。ケーススタディを取り入れることで、具体性のある議題を対象に論理的思考を行う訓練ができます。

実際の事例があるため、自分の思考方法が最適なのか判断しやすい点も特徴です。ケーススタディのような具体性のある学習方法の応用は、結果的に論理的思考力の成長を促すでしょう。

ロジカルシンキング研修の実績がある外部サービスを利用する

ロジカルシンキング研修を行うのなら、過去に豊富な実績を持つ外部サービスに依頼するのがおすすめです。ロジカルシンキング研修は専門知識が必要になるため、自社だけで研修を成立させるのは難しいでしょう。

学習カリキュラムを構築するのにも手間取る可能性があるため、外部サービスを利用してスムーズな研修の実施を目指すのがポイントです。

ロジカルシンキング研修の実施時には「キューズフル」にご相談ください!

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まとめ

ロジカルシンキング研修は、さまざまなビジネスで活用されるスキルの習得につながります。論理的な思考力とそれをアウトプットするスキルは、従業員の能力を底上げし、自信を持って業務に臨むきっかけをつくれるでしょう。

まずはロジカルシンキング研修の基本とメリットを確認し、自社に合った内容を考えてみてはいかがでしょうか。研修の実施を検討する際には、専門的なアドバイスと提案が可能な「キューズフル」にご相談ください。「キューズフル」なら企業ごとのニーズに合わせて、最適なカリキュラムの提案が可能です。

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