【企業研修Vol.11】ハラスメント研修とは?チームビルディングを有効活用する方法と解説

昨今は職場環境を改善するために、さまざまな研修を通して従業員の意識改革を進めています。

「ハラスメント研修」もその1つであり、従業員間のトラブルの種となるハラスメントの実態を知り、解決するための手段として注目を集めています。

また、同時にチームビルディングを学び、ハラスメント防止につなげることがケースも増えているのも近年の特徴です。そこで本記事ではハラスメント研修の基本と、チームビルディングを活用する方法について解説します。

ハラスメント研修とは?

ハラスメント研修を実践するには、その実態や意味を把握することが最初のステップになります。

ハラスメント研修を導入するための準備として、まずは基本から知ることが重要となるでしょう。以下では、「ハラスメント研修とは何か」という点から解説します。

そもそも「ハラスメント」の意味とは?

ハラスメント研修を実施するには、「ハラスメント」の言葉の意味を知る必要があります。ハラスメントとは、「人を困らせること」や「いやがらせ」といった意味を持つ言葉です。相手のことを言葉や行動で困らせたり、不快な思いをさせたりといったことが、ハラスメントに該当します。

ハラスメントは社会問題として大きく取り上げられ、その重要性は広く認知されています。逆に言えば、ハラスメントに関する意識が低いと、昨今の社会の認識に置いていかれていると判断されるでしょう。まずハラスメントの意味が曖昧では、正しい研修内容の構築ができません。

そのため、ハラスメント研修を検討しているのなら、その意味を理解・周知させることから始めましょう。

ハラスメント研修は「あらゆるハラスメント」をなくすための研修

ハラスメント研修は、職場における「あらゆるハラスメント」をなくすための研修です。

ハラスメントの内容はさまざまであり、その1つでも見逃してしまうと、会社に大きな損害が発生する可能性があります。そのため、ハラスメント研修を行って、すべてのハラスメントの撲滅を目指すのが基本となるでしょう。

ハラスメントと定義される言動は多く、新たに追加されるケースも多いです。そのため、ハラスメント研修は一時的なものではなく、定期的に実施して情報や意識を更新していく必要があります。

ハラスメント研修の必要性

ハラスメント研修は、多くの企業で必要な方法として認識されています。2019年5月に「労働施策総合推進法」、いわゆるパワハラ防止法が制定し、中小企業を含めた全ての企業でパワーハラスメント防止の措置が義務化されました。

大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から施行されているため、2024年時点ではすべての企業がパワハラに対する具体的な措置を取る必要があります。しかし、そんな状況でもパワハラを他人事として考えてしまう従業員は少なくありません。

そのためハラスメント研修を実施し、認識をアップデートする必要があると考えられるでしょう。

ハラスメント研修の目的とは

ハラスメント研修を実施する際には、具体的な目標の提示も重要です。何のためにハラスメント研修を行うのかがわからないと、成果を正しく把握できない可能性が高まります。

以下では、ハラスメント研修の主な目的について解説します。

ハラスメントのリスクや問題点を正しく理解させる

ハラスメント研修は、社内で発生するハラスメントのリスクや問題点について、従業員に正しく理解してもらうことが目的の1つになります。どれだけ会社でルールを設けても、従業員の意識が足りていないとハラスメントがいつ起きるかわかりません。

自分の言動がハラスメントに該当すると想像できないケースも多いため、知らず知らずのうちに社内を険悪なムードにしていることも珍しくありません。そういった従業員の意識を変革し、ハラスメントそのもののを理解する機会とするのが研修の目的になります。

ハラスメントの発生を未然に防げる可能性が高まる

ハラスメント研修を実施することによって、社内でのハラスメント発生を未然に防げる可能性が高まります。従業員の自主性に任せるのも重要ですが、それだけでは社内でのハラスメントを完全になくすことは難しいです。

また、先の解説の通り、従業員が自分の言動を、ハラスメントと認識していないケースも多いです。トラブルを防ぐには研修などを通して、まずは基本知識を身につけてもらうのがポイントです。

ハラスメントが問題になると、その後のフォローや社外への対応などで多くのコストがかかります。現在の事業に悪影響がおよぶリスクもあるため、ハラスメント問題の発生を「未然に防ぐことを重視する」のが重要です。

ハラスメントの発生を素早く発見・解決できる環境づくりになる

ハラスメント研修は、ハラスメントの発生を素早く発見して解決できる環境を、社内に構築するきっかけにもなります。どれだけ万全の体制をしていても、些細な理由でハラスメントが発生してしまう可能性は否定しきれません。

そのため、仮にハラスメントが起きていることをどのように発見するのか、その後にどう対応して解決すべきなのかを、ハラスメント研修で学ぶことも考えられます。

ハラスメントが一切ない社内環境が理想ですが、それを実現するのは簡単ではありません。だからこそ、発生することを想定して、発見と解決を速やかに行える環境構築も重要となります。

社内で価値観を統一できる

ハラスメント研修の実施は、社内での価値観を統一することも目的になります。仮にすべての従業員がハラスメントへの理解を深めることができても、その認識がバラバラだと、社内の問題を解決できない可能性があります。

そのため同じ内容を学べる研修というスタイルを活用し、ハラスメントに関する価値観や判断基準を統一することが求められます。全員が同じ基準でハラスメントに対する意識を構築できれば、問題が発生するリスクを低減できるでしょう。

研修を通して社内の状況を把握する

ハラスメント研修は、社内の状況を把握するためにも活用できます。

ハラスメント研修を実施したことで、従業員にどの程度の知識があるのか、ハラスメントに対してどのような認識を持っていたのかを確認できます。また、実際に発生している問題を発見するきっかけにもなるため、職場環境の改善にも期待できるでしょう。

社内からハラスメントをなくす第一歩として、ハラスメント研修を導入するのも1つの方法となります。

ハラスメント研修のメリットとは

ハラスメント研修を実施することで、企業や従業員はさまざまなメリットを得られます。そのメリットは、社内環境や事業においても、よい効果生み出すきっかけになり得るでしょう。以下では、ハラスメント研修を実施するメリットを解説します。

従業員の意識改革につながる

ハラスメント研修の実施は、何よりも従業員の意識改革につながるメリットがあります。例えば、社内でハラスメントの問題やリスクを話しても、従業員が日々の業務のなかきちんと耳を傾けてくれるとは限りません。

なかには「自分には関係ない」と頭から決めつけて、ハラスメント問題を直視しないケースもあるでしょう。その点、ハラスメント研修で本格的な学びの機会を与えると、従業員はその課題の重要性を認識しやすくなります。

研修をきっかけに自分の認識を改めて、ハラスメントに対する意識を変える従業員が増えることにも期待できます。

ハラスメントの種類を確認できる

研修は、ハラスメントの種類を正確に把握・理解できるメリットもあります。ハラスメントとして認定される内容は多く、簡単には把握しきれない数になっています。社内に定着している情報が古いと、思わぬかたちでハラスメント認定となる可能性も否定できません。

例えば、昨今は、以下のものがハラスメントとして問題視されています。

  • パワーハラスメント(パワハラ)
  • セクシュアルハラスメント(セクハラ)
  • マタニティハラスメント(マタハラ)
  • パタニティハラスメント(パタハラ)
  • ジェンダーハラスメント
  • アルコールハラスメント(アルハラ)
  • ケアハラスメント(ケアハラ)
  • モラルハラスメント(モラハラ)
  • リストラハラスメント(リスハラ)
  • テクノロジーハラスメント(テクハラ)
  • スメルハラスメント(スメハラ)
  • カラオケハラスメント(カラハラ)
  • ブラッドハラスメント(ブラハラ)
  • ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)

上記以外に、今後もハラスメントに該当する種類が増える可能性があるため、最新情報を入手することを心がけるのもポイントです。

ハラスメントのリスクを正確に理解できる

ハラスメントが持つ社会的なリスクを、従業員が正確に把握できることもハラスメント研修のメリットです。

ハラスメントは会社の信用を失墜させ、取引先との関係悪化や顧客離れによる利益の減少などにまでつながる可能性があります。従業員同士の関係性も悪化し、生産性や作業効率の低下を招くことも考えられます。

また、従業員もハラスメントをきっかけに人事評価が下がったり、職場での評判が悪くなったりするリスクがあります。そういった社会的なリスクがあることを知ってもらうために、研修を行うことも考えられます。

ハラスメント研修を通してコミュニケーション能力を育める

ハラスメント研修では、問題の改善や防止のために、コミュニケーション能力を高めることを目的の1つとするケースが多いです。研修をきっかけに従業員のコミュニケーション能力が改善され、スムーズな業務が実現しやすくなるメリットもあります。

社内のコミュニケーション不足が課題の場合にも、ハラスメント研修の実施が検討されるでしょう。

職場環境の改善につながる

職場環境の根本的な改善につながる点も、研修を行うメリットになります。研修によってハラスメントの問題や重要性がわかれば、自然と職場環境を見直す機会ができます。そこで見逃していたハラスメントを解決できたり、トラブルに発展しかけている人間関係を改善できたりすれば、職場環境を良好な方向に修正できるでしょう。

結果的に職場の人間関係や労働環境の改善を見込める点も、研修を行う理由になります。

ハラスメント研修にはチームビルディングが有効?

ハラスメント研修の際には、「チームビルディング」が有効な手段になるケースがあります。ハラスメントの問題を取り上げる際には、チームビルディングを実行して社内を改革していくのも1つの方法となるでしょう。以下では、チームビルディングの基本やハラスメントとの関係性について解説します。

チームビルディングとは?

チームビルディングとは、目標達成などのためにチームメンバー個人の能力を活かせる組織・環境づくりを行う取り組みを指します。例えば、チームメンバーの課題や問題に対するフォローをしたり、スキルに合わせて適性のある仕事を割り振ったりといったことで、組織力を高めるのがチームビルディングの基本です。

チームビルディングの主なメリット

チームビルディングを実施することで、組織の生産性が向上したり、従業員のモチベーションが向上したりといったメリットがあります。また、従業員がチーム主体で行動するきっかけにもなるため、周囲のことを考えたコミュニケーションが行えるようになる点も魅力です。

チームビルディングによって職場のハラスメント防止につながる?

チームビルディングは、職場におけるハラスメントの防止につながる可能性があります。

チームビルディングによって周囲と協力し合える環境を構築し、よりよい人間関係をつくるメリットが従業員に伝えられれば、自然と「人を困らせること」「いやがらせ」といったハラスメントをする機会が減るでしょう。

そのため、ハラスメントの防止を目的として、チームビルディングを社内に導入することも検討されます。

チームビルディングはさまざまなシーンで活用されている

チームビルディングはハラスメントの防止以外にも、さまざまなシーンで活用されています。例えば、新入社員の教育時、中堅従業員の育成時、エンゲージメントを高める施策の実行時など、多くのタイミングで採用されるのが特徴です。

チームビルディングを導入することで、ハラスメントの防止のほかにも、さまざまなメリットを得られる可能性があるでしょう。

チームビルディングを学ぶにも研修がおすすめ

チームビルディングを学ぶ際にも、研修がおすすめです。チームビルディングの成果をスムーズに引き出すには、専門知識や高度なカリキュラムが必要となります。そのためハラスメント研修と並行して、チームビルディング研修を行うのも1つの方法となります。

研修を通して従業員の意識を変えることができれば、その後の事業にもよい影響を与えられるでしょう。この機会にハラスメント研修とチームビルディング研修を、今後のスケジュールに組み込んでみるのもおすすめです。

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まとめ

社内でハラスメントに関する問題意識を育て、実際に課題を克服できる環境を構築するには、研修による従業員の育成がカギとなります。また、チームビルディングによる組織構造の改善も、社内環境をよい方向に変えるきっかけになるでしょう。

この機会にハラスメントとチームビルディングの基本を確認し、研修による学びを検討してみるのもおすすめです。ハラスメントとチームビルディングの研修を検討するのなら、「キューズフル」にご相談ください。専門性の高い研修カリキュラムを豊富の揃えておりますので、現状の問題解決と未来につながる知識の習得をサポート可能です。

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