【企業研修Vol.14】オンライン研修とは?メリット・デメリットや実施時の注意点を解説

さまざまな知識・技術を学ぶ場として使われる研修は、昨今オンラインでの実施も広まっています。対面での研修とは異なるメリットを持つオンライン研修は、今後も多くのシーンで活用されるでしょう。本記事では、オンライン研修のメリットとデメリット、実施時の注意点などを解説します。

オンライン研修とはどんなシステム?

オンライン研修を検討するのなら、まずその基本的なシステムを理解する必要があります。オンライン研修の特徴を把握することが、そのシステムを活かす最初の一歩となるでしょう。以下では、オンライン研修の基本について解説します。

オンラインで実施される研修のこと

オンライン研修とは、その名の通りオンラインで実施される研修を意味します。インターネットを使って外部と接続し、その場にいながら研修を受けられるのが特徴です。オンライン研修に必要なWebシステムは、基本的に社内に備わっています。そのため特別な準備をすることなく、オンライン研修を実施できるケースも多いです。

従来の対面型の研修では、従業員の会場への移動や時間の制約などが問題視されていました。オンライン研修はそういった問題点を解消できるため、優先して導入する会社も増えています。

オンライン研修の形式

オンライン研修の形式は、「アーカイブ配信形式」と「ライブ配信形式」の2パターンに分けられます。アーカイブ配信形式とは、実際に行った研修の内容を録画し、あとから見直せるようにしておくスタイルです。受講者が自分の好きなときに学べるため、自由度の高い学習が可能です。

ライブ配信形式とは、研修を撮影してライブ配信する方法です。リアルタイムで研修が行われるため、オンラインでも講師や参加者とコミュニケーションを取ったり、わからないことを質問できたりするのが特徴です。

一方で、アーカイブ配信形式のように自分で学ぶタイミングを選べず、従来の研修同様に開催時間に合わせて準備をする必要があります。オンライン研修を実施する際には、基本的にアーカイブ配信形式とライブ配信形式を軸に、カリキュラムを組むことになるでしょう。

オンライン研修におけるeラーニングとは?

昨今の研修では、「eラーニング」と呼ばれる手法も広まっています。eラーニングはオンデマンド配信形式とも呼ばれ、事前に録画した内容を教材として使用する研修方法です。さまざまな教材や学習内容を事前に組み立てられるため、体系的な学習に利用できます。

アーカイブ配信と同じく好きなタイミングで受講できるため、その利用しやすさから多くの企業で採用されています。また、個々の進捗をシステムで把握できるため、研修状況を管理しやすい点も魅力です。しかし、eラーニングは、ディスカッションなどが行えず、一方的な学習になってしまいます。

オンライン研修の実施率

オンライン研修は、すでに多くの企業に広まっている方法です。一方で、対面での研修の開催が困難だったコロナ禍と比較すると、その実施率は低下傾向にあるのも事実です。株式会社manebiの「2023年新入社員研修に関する動向調査」によると、2023年の新入社員研修の実施形式は、「オンライン研修」が14.6%となっています。

これは前年比と比較して19.4%のマイナスであり、対面研修に移行している企業が多いと判断できます。一方で、「オンライン研修と対面研修を併用」の割合は36.2%であり、前年比からプラス7.2%となっています。オンライン研修のみの開催は減っていますが、対面研修と併用するケースが増えているのです。

参考:2023年新入社員研修に関する動向調査|株式会社manebi

オンライン研修は今後も定着する?

上記の調査結果を参考にすると、オンライン研修は今後も一定の割合で定着すると予想できます。オンライン研修には対面研修にはない特徴があるため、有効利用できれば従業員の効率的な教育につながります。

研修を管理する担当者は、対面研修とオンライン研修の基本を理解し、適切な方法をその都度選択していくことが求められるでしょう。自社にとってオンライン研修の実施にどのようなメリットがあるのか確認し、具体的な計画を立ててみるとよいでしょう。

オンライン研修ならではのメリットとは?

オンライン研修には、対面研修とは異なるさまざまなメリットがあります。以下では、オンライン研修ならではのメリットを解説します。

会社や自宅から研修を受けられる

オンライン研修は、会社や従業員の自宅にいながら研修を受けられるメリットがあります。対面研修のように特定の会場に移動する必要がないため、時間をかけずに研修に臨めます。業務が忙しい従業員や、持ち場を離れるのが難しい従業員も、一緒に研修を受ける機会を与えられます。

研修に参加するハードルを下げられる点は、オンライン研修のメリットになるでしょう。

対面研修に近いかたちでの開催も可能

オンライン研修は、ライブ配信形式を活用することで、対面研修に近いかたちで開催できるのもメリットです。オンライン研修は講師に質問などができなかったり、ほかの参加者とコミュニケーションを取れなかったりするケースも多いです。その点、ライブ配信による研修なら、講師や参加者と積極的な交流を図れます。

研修で得られるスキルを均一化しやすい

オンライン研修は、得られるスキルや知識を社内で均一化しやすい点もメリットです。対面研修の場合、仕事や体調不良などが原因で参加できないケースも考えられます。結果的に参加者の間で得られる知識量やスキルに差が出てしまい、社内で格差が生じる可能性があるでしょう。

その点、オンライン研修のアーカイブ配信形式などを活用すれば、それぞれの従業員が最適なタイミングで学習が可能です。得られる能力を均一化できるため、すべての従業員によい結果を与えられるでしょう。

アーカイブ配信形式なら繰り返し学習が可能

オンライン研修でアーカイブ配信形式を活用する場合、繰り返しの学習に利用できるのもメリットです。アーカイブとして残っている動画は、基本的にいつでも閲覧可能です。そのため必要に応じて何度も見直して、日々の学習に活かすことも考えられるでしょう。

継続した学習のきっかけにもなるため、勉強の習慣化にもつながりやすいです。

コスト削減につながる

オンライン研修は、対面での研修と比較してコストが抑えやすいです。そのためできるだけコストを下げたい場合には、オンライン研修にメリットがあるでしょう。一方で、従来の対面研修も助成金を活用することで、コストを抑えることが可能です。

助成金に関する情報や申請方法は、「キューズフル」が丁寧に解説・対応できるため、ぜひお気軽にご相談ください。

オンライン研修ならではのデメリットとは?

オンライン研修には、デメリットになることもあります。デメリットの内容を把握し、回避できるように努めるのもオンライン研修時のコツです。以下では、オンライン研修ならではのデメリットを解説します。

会社や従業員ごとに環境整備が必要

オンライン研修を実施する際には、会社や従業員ごとに環境整備が必要になります。基本的にインターネットとWebにつながるデバイスがあれば問題ありませんが、環境によっては回線がつながりにくいなど、問題が発生する可能性があります。

特にリアルタイムでの配信で研修を受ける場合、回線が貧弱だと遅延やエラーが頻発し、まともに学習ができないケースも懸念されます。そのため社内の回線環境を見直したり、従業員ごとに学習用のデバイスを提供したりといった準備が必要になる可能性があります。

講師とのコミュニケーションが取りづらい

オンライン研修では、対面研修と比較して講師とコミュニケーションが取りづらい傾向にあります。リアルタイムで会話が可能なライブ配信形式でも、対面と比べるとスムーズなやり取りは困難となります。研修時間も限られているため、思うように質問などができないケースも考えられます。

アーカイブ配信形式やeラーニングの場合、そもそも講師とコミュニケーションが取れません。講師や参加者との交流も学びになる研修内容の場合、オンライン形式では満足のいく結果が出せない可能性もあるでしょう。

参加者と協力して学べない

参加者と協力しながら学ぶのも、研修の醍醐味です。しかし、オンラインの場合には参加者同士の交流はほとんどなく、独学で学ぶ形式に近くなります。研修でお馴染みのレクリエーションやディスカッションによる学びが体験できない点は、デメリットになるでしょう。

研修内容に合わせて、全体のうちの数回は対面での研修を実施するなど、柔軟な対応が必要になります。

従業員のモチベーションや自主性が問われる

従業員のモチベーションや自主性に強く影響される点も、オンライン研修のデメリットになり得ます。オンラインでは、従業員が自主的に学ぶ姿勢が対面研修よりも重視されます。そのため研修への熱意がなかったり、事業が忙しくて集中できる環境が確立されていなかったりすると、効果を得られない可能性があります。

技術的な学習が必要な研修には不向き

技術的な学習が重要となる研修では、オンラインでの開催は不向きだと考えられます。実際に手で触れて技術を学ぶことが推奨される場合、オンラインだと適切な効果を得るのが難しくなります。

すべての研修をオンライン化するのではなく、技術的な学びには対面研修を導入するなど、臨機応変に併用していく姿勢が求められるでしょう。

オンライン研修を実施する際の注意点

​オンライン研修を実施する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。事前に詳細を確認し、注意点に備えておく必要もあるでしょう。以下では、オンライン研修の実施時における注意点を解説します。

オンライン研修の参加方法など基本から周知する

オンライン研修の参加方法などの基本を、参加する従業員に周知する必要があります。​オンライン研修を体験したことがない場合、どのように始めるべきなのかといった、基本からわからないケースもあります。システムの使い方や効率的な勉強方法などを共有し、​オンライン研修の時間を有効活用できるように備えましょう。

オンライン研修のメリットや利用に至った経緯を説明する

​オンライン研修の効果に対して、懐疑的な従業員がいるケースも考えられます。オンラインという形式に不満があると、学習に悪影響が出る可能性があるでしょう。そのため事前に​オンライン研修のメリットや、利用するに至った経緯を説明するのがポイントです。

従業員に納得してもらったうえで実行することが、成果を引き出すコツになります。

必要に応じて研修スケジュールを管理する

​オンライン研修も、必要に応じて会社側が研修スケジュールを管理する必要があります。ライブ配信の場合には時間が決まっているため、管理に手間はかかりません。しかし、アーカイブ配信やeラーニングの場合、従業員が個々で学ぶため、学習状況の把握が難しくなる可能性があります。

そこで管理システムを使って学習状況を把握したり、簡単なテストなどで研修の成果を測定したりといった方法が考えられます。

研修内容を振り返る時間をつくる

​オンライン研修の実施時には、研修内容を振り返る時間をつくるのもポイントです。​個人で勉強する場合、自分がどの程度内容を理解できているのか判断できないケースも多いです。そこで同じ​オンライン研修を受講している従業員同士で交流する機会を設けて、学習内容を確認しあえる環境をつくるのもコツです。

本当にオンライン研修が適切かよく考える

​オンライン研修には、多くのメリットがあります。一方でその形式ならではのデメリットもあり、状況によっては最適な手段になり得ない可能性も懸念されるでしょう。​オンライン研修を実施する際にはメリットだけに着目せず、デメリットや注意点を踏まえたうえで、その効果引き出せる工夫を凝らす必要があります。

自社だけで判断が難しい場合には、企業研修の専門家に相談するのがおすすめです。研修に関するプロの意見を取り入れることで、最適な研修スタイルを見つけられるでしょう。

研修の企画考案時には「キューズフル」にお問い合わせを!

研修による従業員の育成を企画考案する際には、「キューズフル」にご相談ください。「キューズフル」なら企業研修企画・講師派遣・助成金申請代行のサービスを、ワンストップで提供できます。必要書類をそろえるだけで、最適な学習制度の構築と、本格的な研修を実施可能です。

自社に最適な研修方法がわからない、効率的な学習カリキュラムが立てられないといったお悩みを抱えているのなら、まずはお気軽に「キューズフル」にお問い合わせください。

まとめ

​オンライン研修はコロナ禍の影響もあり、多くの企業で実施されています。ピーク時と比較するとその実施率は落ちているものの、従来の対面形式との並行が活発になったりと、新たな研修スタイルとして定着しています。今後も​オンライン研修による学習は、1つの選択肢として考えられるでしょう。

この機会に​オンライン研修の基本とメリット・デメリットを確認し、自社の需要を満たせるか検討してみるのもおすすめです。研修による教育を計画する際には、企業研修に関する豊富な実績を持つ「キューズフル」にご相談ください。

累計1,000件を超える実績を持つ「キューズフル」だからこそ、ニーズに合わせた最適な支援が可能です。企業研修の実施に加えて、助成金申請の代行も可能なので、手間をかけずにコストを抑えられます。まずは「キューズフル」のホームページから、研修についてお気軽にお問い合わせください。