2022年12月2日に、厚生労働省より、 企業が持続的な成長をするための人材開発支援助成金のコースの中に、事業展開を行う事業主を支援するための「事業展開等リスキリング支援コース」を創設したと発表がありました。
この記事では、新設された「事業展開等リスキリング支援コース」について解説していますので、自社の負担を軽減しつつ労働者のスキルアップを図りたい企業はぜひ活用しましょう。
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)とは
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」は、企業の持続的発展のため、新製品の製造や新サービスの提供等により新たな分野に展開する、または、デジタル・グリーンといった成長分野の技術を取り入れ業務の効率化等を図るため、下記に取り組む事業主を対象に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を高率助成により支援する制度です。
- 既存事業にとらわれず、新規事業の立ち上げ等の事業展開に伴う人材育成
- 業務の効率化や脱炭素化などに取り組むため、デジタル・グリーン化に対応した人材の育成
事業展開とは
「新たな製品を製造したり、新たな商品やサービスを提供すること等により、新たな分野に進出すること。このほか、事業や業種の転換や、既存事業の中で製品の製造方法、商品やサービスの提供方法を変更する場合も事業展開にあたる。」とされています。
例えば、下記のような内容を指します。
- 新商品や新サービスの開発、製造、提供又は販売を開始する
- 日本料理店が、フランス料理店を新たに開業する
- 繊維業を営む事業主が、医療機器の製造等、医療分野の事業を新たに開始する
- 料理教室を経営していたが、オンラインサービスを新たに開始する 等
デジタル・DX化とは
「デジタル技術を活用して、業務の効率化を図ることや、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する等し、競争上の優位性を確立すること。」とされています。
例えば、下記のような内容を指します。
- ITツールの活用や電子契約システムを導入し、社内のペーパーレス化を進めた
- アプリを開発し、顧客が待ち時間を見えるようにした
- 顔認証やQRコード等によるチェックインサービスを導入し手続きを簡略化した 等
グリーン・カーボンニュートラル化
「徹底した省エネ、再生可能エネルギーの活用等により、CO2等の温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること。」とされています。
例えば、下記のような内容を指します。
- 農薬の散布にトラクターを使用していたが、ドローンを導入した
- 風力発電機や太陽光パネルを導入した 等
支給対象訓練
人材開発支援助成金の各コースの支給対象となる訓練の要件には下記のようなものが含まれます。
- 助成対象とならない時間を除いた訓練時間数が10時間以上であること
- OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
- 職務に関連した訓練であって以下のいずれかに該当する訓練であること
- 企業において事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練
- 事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能を習得させるための訓練
助成率・助成額
受講者1人あたりの経費助成限度額
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」の助成金では、助成金を活用する上で、支給対象事業主の要件などを設定しています。
働き方改革や世の中の変化に対応するためのリスキリングは、日本だけでなく世界的にも推進されている動きであり、従業員のスキルアップは必須となりますが、スキルアップに必要な教育や研修にはコストがかかります。ただし、教育をしている間は業務も止まるため、徐々に企業の売り上げにも影響を与えるでしょう。
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」を活用すれば、教育や研修にかかる企業のコストを最大75%削減しつつ、企業内にハイスキルな人材を輩出しやすくなるため、自社の負担を抑えつつ事業全体の底上げを実施できる点が大きなメリットです。
本助成金を活用して人材育成を行う場合は、訓練開始日から起算して1か月前までに、事業所所在地を管轄する都道府県労働局に計画届を提出する必要がありますので、ご不明な点がございましたら、最寄りの都道府県労働局の助成金申請窓口やキューズフルまでお問い合わせくださいませ。
厚生労働省公式動画
人材開発支援助成金PR動画(事業主のお悩み解決編)
人材開発支援助成金PR動画(従業員のお悩み解決編)
厚生労働省公式HP|人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇等付与コース、特別育成訓練コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース))はこちら